クレアチニンの値で筋肉量を推測する
健康診断、人間ドッグの結果をみてみてください、
腎機能のところに「クレアチニン」という値があると思います。
クレアチニンは筋肉の代謝物です。
腎臓が健康ならば、おしっこになって排泄されますが、
もしこの値が大きいと「腎臓が弱ってるぞ」と判断します。
1.5 を超えると中程度の腎不全、8.0 以上となると腎臓透析を要検討となるようです。
この値を分子栄養学の見方で深読みしてみましょう。
クレアチニンは筋肉の代謝物ですから、筋肉が少ないと値が小さくなります。
例えば、筋ジストロフィーなどの筋肉の萎縮する病気があるときは低くなります。
運動をしていない事務職の女性は、だいたい 0.5 ~ 0.6 に落ち着くことが多いです。
30代、事務職の女性。0.56です。
もう少し運動して筋肉つけて内臓脂肪を減らしたいという感じ。
(もちろん、判断は他の数値や症状との兼ね合いにはなります)
30代、事務職男性。クレアチニンは0.79 です。運動量は普通。
男性だと0.7~0.8に落ち着くことが多いです。
20代の男性です。クレアチニンがなんと 1.06
この方の職業、なんだと思います?
答えはトレーナー、大会にも出場するボディビルダーです。
肉体の見た目は中山きんに君です。笑
※画像は公式より
私のクレアチニン、0.66
これはヨガでけっこう鍛えてるときのデータ。
女性にしてはまあまあ。
痩身で立ち仕事の方などは0.7越えの人も割といます。
ポチャ系は低値のことが多いです。
ぜひ筋トレしましょう!
筋肉量が少ないと血糖値の乱高下が起こりやすい
筋肉量は血糖値の乱高下があるかどうかの判断になります。
糖(エネルギー)の貯金は肝臓のグリコーゲンよりも筋肉のグリコーゲンのほうが2倍多いのです。
血糖値の安定には筋肉があるほうが圧倒的に有利です。
食事で得られる糖は2時間しか持ちません。
残りは筋肉中のグリコーゲンを使ったり、肝臓の糖新生で賄われます。
筋肉が少ないとそれだけスタミナ切れを起こしやすい。
男性で0.7以下とかは、やや危険領域。
女性で0.5の前半とか、0.4台だとタンパク質の摂取量や運動量を確認のうえ、低血糖症の症状がないか確認します。
低血糖症の症状で一番わかりやすいのは「寝落ち」ですね。とはイライラとか頭痛とか。
詳しくはこちらをご参照ください↓
「午後の眠気・ソファーで寝落ち」が意味するもの【低血糖症・副腎疲労】 | ビタミンアカデミー
クレアチニンが腎機能低下で上昇するのは、けっこう末期。
腎臓機能が50%程度の低下でようやく反応すると伺いました。
クレアチニンが低い場合は低たんぱく、代謝の低下、筋肉量の低下を疑います。
脱水があって血液が濃縮すれば上昇しますので、健康診断の時はお水は飲んでくださいね。
採血のために絶食しなきゃいけないことを、水も飲んではいけないと解釈する人がたまにいますので。
高齢者は腎機能の低下(クレアチニン値の上昇)と、筋肉量の低下(クレアチニン値の低下)が同時に起こるので、結果的に若い人と同じような数値になることが多いです。
ご自身の健康診断・人間ドッグの結果、良いか悪いかだけでポイ捨てせずに、よかったらじっくり眺めてみてくださいね。