『プロテインは腎臓の負担になるので身体に悪い』説を考察してみる

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プロテインは腎臓の負担になるので危険?

 

「プロテインは腎臓の負担になり身体に悪いと聞きました、飲み続けて大丈夫でしょうか?」とクライアントさんから質問がありました。

 

どこの情報か確認したところ、ダイヤモンド社のこちら↓の記事でした。

※記事が引き下げられるといかんのでスクショで。(画面クリックで記事リンクへ飛びます)

 

発信源のドクターを確認したところ「医者が教える食事術 最強の教科書」という本を出版されており、ベストセラーになっていました。

 

確かに高たんぱくは腎臓の負担になるけど、この言い方はちょっとどうかなあと思いまして、以下私なりに考察してみます。

情報は発信した人の立場を考えるべし

この方の本の中に「プロテインは身体によくないので止めなさい」という記述があります。

 

しかし、その内容をよく読んでみると’高タンパクが腎臓の負担になるからよくない’と書いているのと同時に

’不自然な添加物が多いので食品として好ましくない’という理由を強調されています。

このドクターが表現する「プロテイン」とは1つのカテゴリーです。商品差を問うていません。

添加物の多い某大手日本メーカのものなのか、添加物ゼロの無味だがNonGMOで良質なものなのか、精査できるレベルの人を対象に書いていないということです。

 

それから、このドクターは現役の大学病院の医師です。

普段からみてる患者のレベルが違います。

重度糖尿病で腎臓がイカれる寸前、もしくはイッちゃった患者と対峙しており、健常人を対象にお話しすることが少ない人です。

選ぶ言葉が違ってくるんですよ。

情報の発信元がどういった立場の人か?これは必ず確認すべきです。

 

タンパク質の種類によって腎臓への負担は変わります

そして問題の「プロテインは腎臓の負担になるか否か」という点。

確かに高タンパク食だと腎臓に負担がかかります。

糖質、脂質と違ってタンパク質の代謝にはアミノ基の処理が含まれるので、腎臓のみならず肝臓にもかなりの重労働です。

しかし!

タンパク質の腎臓への負担については最近の研究で1つの結論が出ちゃってるんです。

腎臓に負担となり、将来的に腎臓病のリスクを上昇させるのは赤身肉なのです。

 

こちらは最近発表された11,952人を対象に行われたコホート研究の結果です。

Dietary Protein Sources and Risk for Incident Chronic Kidney Disease: Results From the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) Study.

追跡期間は1987年からの23年間で、その間、腎臓病の症例は2,632件。

その結果、慢性腎臓病のリスクを有意に関係しているのは赤身肉と加工肉の摂取量であり、鶏肉、ナッツ、乳たんぱくは逆に慢性腎臓病の発生を予防する効果を示唆していることが分かりましたとのこと。

 

こちらはデンマークの別の研究チームの発表です。

毎日赤身肉を食べると腎臓病が悪化するけど、白身肉と乳タンパクは関係なさそう、ですって。

Long-Term Effects of High-Protein Diets on Renal Function.

 

きわめつけは昨年発表されたシンガポールでのこちらの研究、対象はなんと63,257人で追跡調査の期間は15年です。

Red Meat Intake and Risk of ESRD.

腎臓病のリスクを上昇、もしくは腎臓病を悪化させるのは赤身肉、逆に鶏肉やお魚は1食分の赤身肉に置き換えることで腎臓病リスクが最大で60%以上も減少されると結論してます。

 

牛肉は牛肉で非常に良質で高栄養なたんぱく源なのですが、炎症のもとになりやすいということは以前こちら↓で書きました。

【赤身肉を食べるリスク】慢性炎症の原因になる牛肉・内臓系は食べ方を工夫する
  赤身肉で慢性炎症のリスクが上がる 高タンパクな赤身肉を多食することのデメリットは、慢性炎症体質になりやすいという点です。   赤身肉に多く含まれるNeu5Gc(N-グリコリルノ…

炎症反応をおこしやすいから腎臓病のリスクも上がるってことでしょう。

結論ですが、タンパク質は腎臓の負担になります、けれど同じタンパク質でもその影響はモノによって違うよってことです。

 

このあたり、糖質制限は是か非かの論と似てますね。

でんぷん質も単糖類もいっしょくた、糖は良いか悪いかで論じたほうが単純明快で民衆にウケが良い。

こまごまとした議論にもっていくより「高タンパク質は腎臓に負担、だからプロテインは身体に危険」と言い切っちゃったほうがより扇動的で多くの人に受け入れられます。

前述のドクターの記事も編集者が心象操作してるんじゃなかろうかと勘繰りたくなります。

だって現役医者の書いた本ってほとんどライターさんですし。もし自分で全部執筆してたら臨床なんてやってる暇ないでしょうよ。

メディアって単純な言葉を好みますからね。情報は精査しましょう。

 

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腎機能に負担をかけない高たんぱく食の工夫

ホエイプロテインは乳タンパクです。

食事の補助として適量摂取するホエイプロテインは特に問題はないと思います。

プロテインでお腹が張っちゃう方は、無理して毎日飲まずに薄めに溶くとか、ボーンブロススープなど別経由でタンパク補助を行ってください。

 

それから、赤身肉は腎臓に負担が大きく、鶏肉や乳タンパクは少ないと覚えましょう。

腎臓という臓器の寿命は他の臓器の寿命よりも短く、高齢で腎臓透析を受ける人はけっこう多いです。

食事のタンパク質源は、例えば週1は牛肉、週6で鶏肉か豚肉など、炎症リスクに合わせてうまくローテーションを組むのが良いと思います。

 

以上、クライアントさまの質問へのアンサー記事でした。

 

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『プロテインは腎臓の負担になるので身体に悪い』説を考察してみる” に対して 3 件のコメントがあります

  1. note より:

    ホエイプロテインにはカゼインは含まれてないですよ。乳糖とごっちゃにされていませんか? 乳糖だったとしてもアイソレイトなら問題ない話です。そもそもカゼイン不耐症という言葉は不勉強で聞いたことないです。

    実際には、ホエイがダメな人も一定数いるので、注意を喚起するのであればそちらかと。

    1. 管理人 より:

      ご指摘ありがとうございます。カゼインに敏感な私がホエイプロテインは体感が良い理由がわかり納得です。
      記事は改めておきます。

      1. note より:

        あのですね、ホエイがダメな人も一定数いるってことは書きましたよね。毎日飲むのをやめたり、薄めたらOKとかそういうもんじゃないんです。

        ホエイの持つタンパク質の1種から場合によっては全種の形状を、体が敵だと認識してしまうんですよね。そのへんはカゼインがダメな人も同じですので、ほんとにカゼインによる体調不良をガチで体験している人orわかってる人なら、毎日飲むのをやめたらどう?とか薄めたらどう?とかは言わないと思います。

        あとボーンブロスにはタンパク質はほぼ含まれていません。ホエイプロテインがダメな人には僕が知る限り2種類いて、多数派は乳糖がダメな人です。そうした人はアイソレイト処理されたホエイプロテインであれば乳糖が入っていないので問題はありません。もう1つはホエイがダメな人です。

        ですので代替案を示すのであれば、骨スープを提示するのはタンパク質摂取を目指す人にはとんちんかんです。せめてアイソレイトを提示するくらいはしましょう。そして今回のようにホエイがダメだという人がいるということをコメントされたのなら、ホエイがダメな人にはどういう代替策があるかを書くとなお素晴らしいです。またわからないorめんどくさいからホエイプロテインが合わない人向けの対策はスルーするのもいいでしょう。でもそこで代替案としてボーンスープ飲めばいいんじゃない?ってのはダメですよ。

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