【下痢・腹痛】正露丸に頼らない、お腹が弱い人のための対処法

下痢・腹下しにつかえる生薬

昨日、夫さんが下痢したらしい。

ちょっとオシャレなレストランで食事をしてまして、普段食べなれないものをしこたま食べたせいか帰宅後トイレに直行。

私は快腸ですからレストランで出たものが悪かったのではなく、要は食べすぎ、飲みすぎですね。

1日仕事、フルパワーで働いた後だったので緊張によるストレス性もあるのでしょう。

お腹を下した時の対処法ですが、いろいろと身体の仕組みを知るにつれ止瀉薬(下痢止め)は使わなくなりました。

正露丸を使いたくない理由

正露丸は、胃薬、イソジンに次ぐ、可能な限り普段使いは避けたい三大常備薬のうちの一つ。

理由は簡単、作用機序が完全に対処療法だから。

腸を麻痺させてるだけなので、長期的にみれば却って下痢しやすい、お腹が弱くなるリスクのほうが高いです。

どうしてもやむを得ない状況なら使うかもしれませんが、そこまで緊急ならもう病院行きますわ。

ロングセラー商品ですけどこの先一生使うことはないかもなあ。

こちらにも書いてますのでご参考ください▼

『正露丸』は危険?オススメ出来ない市販薬【過敏性腸症候群(IBS)対策】 | ビタミンアカデミー
リストラされた市販薬「正露丸」 正露丸の主成分は「木(モク)クレオソート」 クレオソートの成分「グアヤコール」は殺菌・消毒・神経麻痺の作用があります。 神経麻痺剤なので、歯が痛い時は正露丸を詰めたら効きます。 実際、正露丸の効果・効能にも「むし歯痛」とはっきり書いてあります。 急な下痢、刺しこむような痛みに、正露丸はよく効きますが、 実は、神経を麻痺させてるだけで、しかも大事な腸内細菌が殺菌される

問題は正露丸のお世話にならず何を使うか?ですが、

下痢なら初動は間違いなく五苓散ですね。

 

下痢・腹下しに五苓散

五苓散と言えば低気圧による体調不良、頭痛に効く漢方ですが、実は下痢・お腹を下した時にもたいへん良い仕事をしてくれます。

下痢ピーのとき、腸内では水分代謝の不均衡が起きています。

身体の細胞の水分代謝の正常化、これは五苓散の得意分野です。

 

五苓散の作用はたいへん面白くてですね、

身体の水分が多すぎる、すなわち浮腫みのときは水分を排泄するように働きます。

逆に水分が足りない、下痢で脱水症状の場合も効果を発揮します。

副作用もなく、常用することによるリスクもほとんどなし。

きわめて優秀な生薬です。

 

手元の漢方読本で五苓散を調べると「虚実錯雑証」とあります。

漢方は証(病態・体質・個体差)を事前に把握しないといけません。

証によって効果的な生薬が違ってくるからです。

 

ところが、五苓散は実証でも虚証でもどちらでもよい。つまり証を問わない。

オールマイティで誰でも面倒みてやるぜ的な、懐の深い生薬なんですな。

 

五苓散がどうやって水分代謝を整えるか、こちらで詳しく書いています▼

低気圧による頭痛の9割は「五苓散」で改善可能!なぜ効くのか検証してみた | ビタミンアカデミー
「五苓散」が低気圧による頭痛に効くと発見したのは日本人 「五苓散(ゴレイサン)」は、水分循環をよくする漢方薬で、はき気、嘔吐、下痢、むくみ(浮腫)、めまいに効くとされています。 参考「おくすり110番」 五苓散のふるさと中国では、1800年前から存在する定番の漢方薬、しかし片頭痛に効くという記録は無いそうです。 江戸時代後期に日本人医師が、あれ?効くんじゃね?的なノリで発見したようで、戦後その記録

炎症を取り除く百草丸

五苓散は腸内の水分不均衡を調整する作用は優れていますが、炎症を鎮める作用のある生薬は含まれていません。

抗炎症に働く生薬と言えば、百草丸の一択です。

 

インスリン不耐性にも効果が確認されている★ので低血糖症にも良い、高脂血症(高コレステロール)にも有望★

ほとんど毎日飲み続けてますが副作用なく、胃腸機能を整え体調UPに貢献してくれているので、もはや欠かせない相棒ですね。

 

栄養療法で効果が出ない人ってほぼ胃腸問題でこけてます。

そもそも栄養を効率良く吸収出来る胃腸じゃないから、長年かけて体調がおかしくなるんわけですね。

 

胃腸がおかしくなる原因ですが、ストレス社会も理由の一つです。

腸脳相関」というとおり、脳で感じるストレスがお腹に伝わり、お腹の炎症が脳を攻撃するのです。

 

百草丸に含まれる有効成分は、厚朴(コウボク)という生薬ですが、

これはうつ病、パニック症によく使われる漢方薬「半夏厚朴湯」(ハンゲコウボクトウ)に使われている「厚朴(コウボク)」と同じものです。

メンタル系のお薬と言いつつ実はお腹のお薬でもあるわけで、厚朴がストレス性の胃腸炎にも効果的なことが分かります。

厚朴ってモクレン科の綺麗な花です。

この根っこや木の皮を生薬として使います。

これが胃腸に良いと発見したご先祖さま。人類の知恵ってすごいですよね。

 

いろいろ優秀で惚れ込んでいる百草丸ですが、小さな粒の扱いが面倒なんですよねぇ。

口に放り込むときにミスると床に転がる。行方不明になるも数日後に踏んづけて足の裏に引っ付いたり。

文句言いつつ毎日欠かせないのでポーチには持ち歩き用を常備していますけどね。

腹下し・下痢には「五苓散 + 百草丸」

五苓散、百草丸、両方ともに優れたお腹のお薬として使えるのですが、効くポイントというか個性が全く違います。

代謝を整えるには五苓散、

抗炎症には百草丸

なので、

お腹に痛みがある場合は百草丸メイン、水便の時は五苓散メイン、両方の場合は「五苓散+百草丸」のダブル使いですね。

一般的なお薬と違って作用が穏やかですから事前対策として使えるのもポイント高いです。

「なんとなくお腹の具合が調子よくない」とか「外で飲食のする機会が多いから予防で飲んどこ」的な使い方もできます。

むしろそっちの方が使い方としては正解。

 

私の場合はこれにグルタミンをプラスすることが多いです。

「グルタミン+百草丸+五苓散」のトリプルセットで突発的な腹痛にはほぼ完璧に対応できてます。

 

お腹弱い人って止瀉薬を飲むのがクセになっている方がいるのですが(てかそれって過去の私ですけど)、全くお勧めできませんので、

普段使いするなら五苓散と百草丸に切り替えることをお勧めする次第です。

 

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