分子栄養学的に正しくコレステロールを下げる方法

分子栄養学的に正しくコレステロールを下げたい

コレステロールについては、低すぎるのも問題ですよと啓蒙しております。

特にLDL(いわゆる悪玉コレステロール)は細胞膜とか、ホルモンとか、消化液の大事な原料ですから、

「悪玉」なんて名前はそろそろ撤廃してもらいたいところです。

 

ところが、高すぎも決して良い状況じゃないことも真実です。

血管にへばりついて心疾患のリスクが増えますから、コレステロールを低下させるスタチン系のお薬を処方されるのが一般的です。

しかしながら、コレステロール合成を無理やり阻害して数値を下げてるだけなので、いわゆる対処療法。

 

胃が痛いときに飲む胃薬、逆流性食道炎で処方されるPPIと同じく、

根本原因には目をつむってとりあえず目先の状態をしのいでいるだけ。

 

胃酸もコレステロールも、人間の身体にとって必要だから作られるのであって、

無理やり下げることは、長期的に見ればよろしくない状況を生むことは明らかです。

 

例えば、スタチンで無理くりコレステロールを下げちゃうと、

セロトニンレベルに影響してうつ病リスクが上がるよ、なんて報告もあります。

Chronic cholesterol depletion using statin impairs the function and dynamics of human serotonin(1A) receptors.

 

 

なぜコレステロールが高くなるのかという疑問

そもそも、なぜコレステロールが高くなるか?という話ですが、分子栄養学的には「使われないコレステロールがあぶれてる」と推測します。

例えば、女性は閉経後、コレステロール値が上昇します。

これはエストロゲンが肝臓の細胞でコレステロール受容体の発現をコントロールしているためで、

エストロゲンが元気だと、コレステロールは上手に肝臓の細胞で代謝される、

エストロゲンがヨボヨボになってくると、細胞のコレステロール受容体が減るので、

代謝できないコレステロールが血中にあふれる、という仕組み。

 

ちなみに、甲状腺ホルモンも同じような働きをします。

ですので、甲状腺機能低下がある場合も、血中に野良犬ならぬ野良コレステロールが増えていきます。

 

分子栄養学では、採血データで栄養状態をいろいろ推測します。

ところが、細胞膜が固くて、栄養素が利用できなくても血中の栄養素の濃度が高くなります。

血中濃度が高いという事実と、ちゃんと利用できてるかは別の話なんです。

コレステロールを使える身体にするには?

コレステロールが大事な材料なら、作る力は可能な限り阻害したくありません。

むしろ上手に栄養(LDLコレステロール)を使えるように仕向けたい。

 

「材料はあるのに使い方を知らない」そんなときに役にたつのが生薬系。

コレステロール低下に一定の効果・実績を持つのが「ベルベリン」という成分です。

 

生薬から抽出された700種の成分を調べたところ、ベルベリンが一番コレステロール値低下に効果があったとのこと。

Berberine is a novel cholesterol-lowering drug working through a unique mechanism distinct from statins(2004)

 

どうも、ベルベリンにはコレステロール受容体の発現を促す作用があるらしい。

これ、エストロゲンも甲状腺ホルモンも元気で、若いときにちゃんとコレステロールが代謝されるシステムと全く同じです。

つまり、若い時の脂質代謝の状態に戻れるということ!

 

しかも他の脂質代謝には全く影響を与えないと結論してます。

高コレステロールでお悩みの方にはピッタリなんじゃないでしょうか。

 

どれくらいのベルベリン量かというと、1日あたり1gを3ヵ月続けて、LDLコレステロールが被験者平均25%低下とのこと。

 

ベルベリンと脂質代謝を研究した文献って豊作で、ちょっと調べればザクザク出てきます。

 

ベルベリンが脂肪肝にも良いとか、

Berberine ameliorates fatty acid-induced oxidative stress in human hepatoma cells.

ベルベリンが動脈硬化に良いとか、

Activation of AMP-Activated Protein Kinase Is Required for Berberine-Induced Reduction of Atherosclerosis in Mice: The Role of Uncoupling Protein 2

 

そのくせ副作用や悪いレポートってほぼ皆無。

ベルベリンの優秀さが分かります。

黄連解毒湯(おうれんげどくとう)と百草丸

ベルベリン単体のサプリもあります。

商品説明に「脂質量・心循環器系のサポート」と書いてあるのは、ベルベリンのコレステロール低下作用のためでしょう。

Thorne Research, ベルベリン-500、 60植物性カプセル

 

ベルベリンは「黄柏(オウバク)」という生薬の主成分です。

「黄柏(オウバク)」が使われている漢方薬と言えば、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)です。

「黄連(オウレン)」という生薬が主力なので「黄連解毒湯」という名前なんですが、

オウレンの主成分もベルベリン。

オウレンとオウバク、黄連解毒湯はダブルでベルベリン含有。

というわけで、黄連解毒湯も高コレステロール対策になるかと。

漢方は「証」をミスると逆効果なので、事前に漢方医の判断は必要ですが。

 

実は!!

私が愛用(溺愛)する百草丸の主力成分もベルベリンなのです。

 

私は主に胃腸粘膜の抗炎症作用、リーキーガット対策、血糖値安定(低血糖対策)の効果を期待して、ここ数年ほぼ毎日お世話になってます。

 

ベルベリンには血糖値を安定させる効果があり、Ⅱ型糖尿病を改善するというメタ解析が出ています。

Berberine in the treatment of type 2 diabetes mellitus: a systemic review and meta-analysis.

 

リローラという過食症対策のサプリメントが百草丸と全く同じ構成ということはこちらで書いた通り▼

【生理前の過食衝動はなぜ起こるのか?】血糖値安定に良いサプリベスト3 | ビタミンアカデミー
生理前の「過食衝動」はなぜ起こる? 女性は生理前の約2週間、いわゆる黄体ホルモン期に過食欲求が強くなります。 理由はいろいろありますが、もっとも影響しているのは、プロゲステロンがインスリン抵抗性を上げているからです。 インスリン抵抗性が上がるということは、インスリンの効き目が悪くなるということ。 同じ量の糖分を処理するのにより多くのインスリンが必要なため、膵臓はインスリンをドバドバ出します。 心穏

 

百草丸の1日量(60粒)に「オウバク」が1,600mg。

そのすべてがベルベリンというわけじゃありませんが、メンテナンスとして採る分には十分なんじゃないでしょうか。

 

高コレステロール症に良いサプリメントと言えば、EPAというのが一般的ですが、

とにかくクオリティのばらつきが激しく、お値段が安いものは酸化リスクが心配です▼

EPA・DHA・魚油サプリメントは酸化が進んでいるので要注意! | ビタミンアカデミー
EPA・DHA・魚油サプリメントの酸化レベルがやばい! ハーバード大学のメディカルスクールが、米国で売れてる魚油サプリメントのトップ3を調査したところ、 酸化レベルがかなり進んでいたそうです(2016年12月発表) Omega-3 fatty acid fish oil dietary supplements contain saturated fats and oxidized lipids t

 

EPAを選ぶならそれなりのお値段のものをとなりますので、ややセレブ向け。

一方、百草丸は2ヵ月分でも2,000円程度。

 

というわけで、高脂血症寸前の我が夫にも百草丸を飲ませようと思った次第です。

結果が出たらまた報告いたします。

 

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