【ペプシノーゲン検査で分かる消化力】糖質制限・高たんぱく食で結果が出ない人は胃を疑うべし

ペプシノーゲンテストと消化力

ペプシノーゲンテストという胃の状態を知る検査があります。

ペプシノーゲンは胃で分泌される消化酵素「ペプシン」の前駆体で、血液中にも少量漏れ出しますので、採血で検査が可能です。

本来は胃がんのスクリーニングに使われている検査ですが、この検査結果の数値を深読みすることで、どの程度の消化力があるかが分かります。

全体的に低たんぱくの状態にある方は、ペプシノーゲンテストの結果もあまりよくありません。

 

男性は50、60といった数値を見ることが多いです。

ペプシノーゲンの分泌も割と豊富で高たんぱく食にも耐えられる胃をお持ちです。

問題は女性ですね。

ペプシノーゲンIの値が30台が多く、人によっては20台、10台という方も時々見ます。

 

有経の女性の場合は経血に鉄分をもっていかれるので、ほぼ貧血がベースにある。

胃腸粘膜の主たるタンパク質はコラーゲンですから、鉄が必要不可欠です。

貧血は胃粘膜の萎縮に直結します。

胃腸粘膜が萎縮するほど、ペプシノーゲンテストの値が悪くなります。

こういった方は、糖質制限などをやったところで、高たんぱく食に胃腸が耐えられないので、消化不良で炎症・リーキーガットになり、逆に体調がおかしくなる人が多いです。

 

胃酸とペプシノーゲン

ペプシノーゲンはタンパク質の消化酵素「ペプシン」の前駆体です。

ペプシノーゲンは、強酸の状態で活性型の「ペプシン」に変化します。

PH2の強酸である胃酸が出てはじめて消化酵素として活性化するので、胃酸が出ていないとタンパク質の消化・分解に支障が出ます。

 

胃腸の調子が悪い方は、胃薬(胃酸を抑える薬)を飲む人が多いので要注意です。

長い目で見れば、消化力の低下から低タンパク質が進んで、さらに胃粘膜が弱くなりかねない。

百草丸やグルタミンなど、ほかにも対処方法がありますから、胃薬だけはやめておいた方が良いと思います。

 

ペプシンの活性化に必要な胃酸は、タンパク質の消化・吸収にとても大事です。

胃腸が弱い方には胃酸をサポートするものをお勧めしています。

梅干しや酢の物、ドレッシング、レモン水などです。

 

特に梅干しは個人的にすごく評価高い。練り梅なんてとても良い商品だなと思います▼

胃酸補助・消化促進に「梅干し」が分子栄養医学的に最強食品である件 | ビタミンアカデミー
胃酸の補助として梅干しが最適です。胃酸が十分に出ないと、食べ物がうまく消化できない、殺菌が不十分で腸でディスバイオシス(SIBO)が起こります。胃腸の状態を整える梅干しはサプリが苦手方にも受け入れられる最適な胃腸薬です。

ペプシノーゲン値のマスキング

血液検査の結果は低たんぱくを示しており、抵抗力の低下、髪・爪のカサカサ感など、低たんぱくによる影響が見た目からも明らかなのに、ペプシノーゲンテストは妙に良い数値の場合があります。

これは炎症かピロリ菌の感染を疑います。

胃薬を服用する癖があったり、塊肉を食べるのが苦手とおっしゃる場合はほぼ間違いないです。

あまりに低たんぱくが亢進しすぎると、抗体を作る元気もなくて、ピロリ検査でさえ陰性になることもあります。

こうなると、ペプシノーゲンテストも正常、ピロリも陰性、胃は問題なしなのになぜ体調不良??ということが起こり得ます。

 

胃の検査単体で見れば異常なしだったとしても、他の数値を見渡すと低タンパクの状態が観て取れますので、胃腸の消化吸収能力が低下しているなと分かります。

検査値はあくまで検査値、参考情報でしかないので、身体の中で起こっていることは推測するしかない。

なかなか難しいのですが、こういったケースに対応できるのが分子栄養学の良いところでもあります。

 

 

塩酸ベタイン

私は胃酸の補助に塩酸ベタインを使ってます。

私の場合はSIBOとリーキーガットの症状に苦しんだ時に、消化酵素と塩酸ペタインのコンビでずいぶん助けられたのでいまだに手放せないです。

今使っているドクターズベストのものは粉状のカプセル型、健胃効果のある生薬「ゲンチアナ」とのミックス。

Doctor’s Best, ベタイン HCL ペプシン & ゲンチアナ, 120 カプセル

 

舐めてみましたが、当たり前ですが超酸っぱい、まさしく梅干しの酸度と同じ。

米国だと塩酸ベタインはとても一般的で商品もめちゃくちゃ多くて安いので、毎回違うものを頼んでジプシー中です。

正直なところ、何を選んでも効果にはそう大差ないと思う。

 

ペプシノーゲンテストですが、胃カメラのようにバリウム飲む必要もなく、無駄なX線も浴びなくて済むので、私はけっこう好き。

一般的な胃ガンのスクリーニングとしては、

①ペプシノーゲンIの値が70以下
②ペプシノーゲンIとⅡの比率が3以上

これを満たせば問題なしとして扱われるようですが、萎縮が進むと微妙にペプシノーゲンⅡの値が大きくなってきたり、数値のバランスで胃腸粘膜の状態が推測可能です。

胃の消化力が弱いと分かれば、対策も立てやすいですし。

価格が安く採血のみの簡単なテストなので、栄養療法をやるからには一度受けておくとよいと思います。

 

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