カンジダ感染と甲状腺機能低下症の関係
カンジダ感染と甲状腺機能低下症の関係について調べたことをメモ
以前佐藤先生のブログで知った、カンジダ菌が発生させるアセトアルデヒドによって甲状腺機能低下症の症状が出ることがあるという件。
情報のソースをずっと探していたけど、「The Magnesium Miracle(マグネシウムの奇跡)」という本に以下のくだりを見つけた。
acetaldehyde blocks hormones receptors for the thyroid, adrenals and pituitary.
thyroid hormones may appears in blood test, cannot get inside cells to do their works as a result of chronic acetaldehyde poisoning.日本語約「アセトアルデヒドは、甲状腺ホルモン、副腎ホルモン、脳下垂体ホルモンの受容体を阻害する。たとえ甲状腺ホルモンが検査値では正常値だったとしても、慢性的アセトアルデヒド汚染があることで、ホルモンが細胞内へ入るのを阻害されることになる。」
アセトアルデヒドが、細胞の甲状腺ホルモンや副腎ホルモンの受容体に干渉するので、結果的にホルモン過小の症状(副腎疲労や甲状腺機能低下症)が出るというくだり。
アセトアルデヒドは、アルコールを分解・代謝される途中にできる物質で、二日酔いの時はアセトアルデヒドが溜まることで、身体が怠くなったり、頭痛といった症状が出ます。
カンジダ感染があると、カンジダ菌が常時アセトアルデヒドを産生するので、二日酔いのような症状が出ます。
アセトアルデヒドがホルモンの受容体に干渉するという情報、おそらくソースはこの辺なんだろうけど、論文が古すぎて中身を確認することはできなかった
Effect of acetaldehyde on thyroid function.
しかし、海外の甲状腺機能低下症の情報サイトでは、カンジダ感染が原因になることはよく知られたケースらしく、ほとんどのサイトで記載されているのを確認。
検査結果では正常だから大丈夫とは限らない
ここで重要なポイントは、たとえ血液中のホルモン量は健全であっても、ホルモン機能不全を疑うケースがあるという点だ。
アセトアルデヒドが、レセプター(受容体)にホルモンがくっつくのを邪魔すれば、血液中に十分量が存在しても働きは少ないことになる。
血液検査ではあくまで血液中の量しか見ていない。
それが細胞の中に入って、ちゃんと働いてくれているかはまた別のはなし。
検査結果では甲状腺機能低下と診断されなくても、怠い、代謝が上がらない、慢性的な疲労感など、甲状腺機能低下の場合と全く同じ症状も持っている方がよくいます。
そういった方はサプリメントの効果も出にくい。
甲状腺ホルモンの検査結果を見ると、微妙に高いTSH、微妙に低いFT3、FT4。
これでTSHが6とか7とか跳ね上がってくれると「ああ甲状腺ホルモン弱いのね、納得」となるのだけど、微妙な高値でありながら基準値内に入ってしまうと「異常なし」の判定になってしまう。
とたんに迷路にはまってしまい、次はアレの検査、次はこれの検査と、異常値を発見するまで検査のたらい回しに。
重要なことは、数値は甲状腺機能低下を示していなくても、身体のバイオバランスによってはホルモン機能不全のケースがあるということだ。
影響が大きいカンジダ感染
カンジダ菌は常在菌なので見逃されることが多いのだけど、その影響は全身に及ぶ。
カンジダ膣炎、水虫、インキン、口角炎(口の横がただれる)、肛門がかゆいことがある、フケ症、
これらの既往がある人は、腸内にカンジダ増殖の可能性が高い(というか経験上はほぼ100%)。
真菌(カビ)ってほんと厄介なんですよねぇ。
良い菌を送り込むか(プロバイオティクス)、抵抗力をつけるか、カンジダ菌の好む環境を撲滅するか(キレーション、デトックス、バイオフィルムはがし)、が主な対抗策だけど、もともとが常在菌なのでいずれにせよ長期戦ですし。
私もカンジダ膣炎の既往者なので、プロバイオティクスは毎日欠かせないし、高たんぱく+消化酵素で抵抗力を高めておくのは必須。
先日、ハイチオールCによるアセトアルデヒドのデトックス効果について書いたけど、ハイチオールCで身体が楽に感じるのはカンジダ毒素がデトックスできるせいなのかも▼
【メチレーション】ハイチオールCがなぜ二日酔いに効くのか? | ビタミンアカデミー
ところで今回、カンジダ菌によるアセトアルデヒドと甲状腺ホルモンの関係を調べていて、日本語で検索すると27,000件、英語で検索すると135,000件。
海外サイトでは当然のように記載されているカンジダ感染と甲状腺ホルモンの関係も、日本で書いている人は佐藤先生以外見つけることができなかった。
米国では自閉症・発達障害の治療でカンジダ対策はほぼ必須だけど、日本だとそのことを知ってるドクターってほんと希少な存在。
日本のバイオメディカル分野、まだまだこれからだなあと思った。
日本のような高温多湿の気候は、海外よりもカンジダ菌が好む環境なので、潜在的に患者数は多いはずなんですけど。
なにはなくとも腸内環境、特にカビ対策は重要ですね、カビ対策と言っても風呂場じゃないですよ、腸内です!