映画『あまくない砂糖の話』
あまくない砂糖の話(吹替版)を見ました。
ティースプーン40杯分の砂糖を毎日、2ヶ月間食べ続けるとどうなるか?というドキュメンタリー映画です。
オーストラリアの映画監督デイモン・ガモーが、自らの身体で実験しています。
ポイントは、ジャンクフードやお菓子を一切食べなずに、いわゆる健康食品だけでティースプーン40杯分の砂糖を摂取するというルールです。
例えば、
朝食はシリアル、低脂肪のヨーグルト、果汁100%のりんごジュースなど
昼食は、オーストラリアの子供がよく食べるランチボックスセット(シリアルバーなどの機能性食品詰め合わせ)
夕食は、チキンソテー、照り焼きソース
間食はフローズンヨーグルト、スポーツドリンク
みたいな感じ。
摂取カロリーは1日あたり 2,300kcalで、実験前と変わらない、もしくは少なめ。
ティースプーン40杯分の砂糖と同等の糖質って、どんだけー!!と思うでしょうが、これが意外と簡単にクリアできるのがポイントです。
例えば、砂糖なんて少なそうに感じるカップ麺ですが、栄養表示を見ると「炭水化物49.7g」とあります。
実際には、炭水化物には食物繊維も含まれるので、全てを砂糖に置き換えはできないのですが、加工食品に食物繊維は微々たるものなので、ほとんどが糖質です。
1日にティースプーン40杯分の砂糖(160g)は、含まれる糖質に置き換えると意外と簡単にクリアできるということです。
2ヶ月後、身体がどう変化したかというと、
・中性脂肪が1.5倍に上昇
・ウエスト10cm増加、体重は8kg増加した
・吹き出物ができて、腹部周りに脂肪がついた
・身体がだるくなる、砂糖を常に欲する
・気分の変化、集中力の低下、常にソワソワしている
摂取カロリーは変化していないのに、食事の満足感が得られなくなります。
脂質とタンパク質不足で、身体が栄養不足を察知しているせいですね。
ブドウ糖と果糖の違いついて、説明されている点も良かったです。
「果物の糖は砂糖よりマシ、だからヘルシー」と思われがちですが、肝臓へのダメージという点では果物の糖「果糖」のほうが影響が大きいのです。
ブドウ糖は、血液に取り込まれ血糖として全身を巡りますが、果糖はダイレクトに肝臓に取り込まれます。
果糖は、ブドウ糖のように血糖値を上げない変わりに肝臓で中性脂肪に代わりやすく、脂肪肝になりやすいのです。
血糖値を上げないヘルシーな(!?)糖質として人気のアガベシロップは、ほとんどが果糖、だから血糖値を上げにくい。
糖は糖でも代謝経路が違うだけで、摂取しすぎは弊害でしかなく、ブドウ糖となんら変わりはありません。
この映画でも、毎朝果汁100%のフルーツジュースを飲んで、しっかり脂肪肝が出来上がっておりましたw
ピューリッツァー賞受賞「フードトラップ」のマイケル・モスも出演しております。
俳優じゃなくてジャーナリスト本人です。
食品業界の舞台裏を暴いてピューリッツァー賞を受賞した「フードトラップ」
なぜジャンクフードが止められないのか、脳が中毒になるのはなぜか、これだけ淡々と大量に書かれると、食べるのを止めてみようという気になりますよ。
途中、舞台はアメリカの取材になり、Pepsi社の「マウンテンデュー」で歯がボロボロになった少年が出てきます。
どこまでドキュメンタリーなのか、ヤラセなら逆にホッとするのにな、というレベルの酷い歯でした。
小学生以上のお子さんであれば十分楽しめるかと思うので、春休みに家族で見てみるのも良いかもしれません。
あまくない砂糖の話 [ スティーブン・フライ ]
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