豊洲問題で話題の「ベンゼン」は食品添加物で発生する
今話題の築地の豊洲移転問題で、最近よく耳にする「ベンゼン」
豊洲の地下水からWHOの基準値の100倍の濃度を越すベンゼンが検出されたため、移転中止?にもなりそうな雰囲気です。
猛毒である「ベンゼン」ですが、実は清涼飲料水にも高確率で入っています。
もちろん直接入れるわけじゃないですよ。
添加物である防腐剤の「安息香酸ナトリウム」と、ビタミンCが化学反応して、ベンゼンが発生するのです。
安息香酸ナトリウムとは?
安息香酸ナトリウムは、カビや細菌の発生を抑え食品の保存性を高める食品添加物です。
栄養ドリンク、炭酸飲料、ジュースなど液体に使用されることが多いです。
コンビニに行って栄養ドリンクかジュースの表示を見てみてください。
けっこう簡単に見つかります。こんな感じです。
この安息香酸ナトリウムが、ビタミンCと化学反応を起こし「ベンゼン」を生成します。
ベンゼンは猛毒で、ミトコンドリアとDNAにダメージを与えることがわかっています。
ミトコンドリアの損傷によって起こる病気はパーキンソン病が有名ですね。
DNAの損傷によって起こる病気の代表は「がん」です。
ベンゼンは、特に骨髄に影響があり、白血病の原因になると言われています。
安息香酸ナトリウム+ビタミンC=ベンゼン?
1993年、米国の「Journal of Agricultural and Food Chemistry」に発表された、安息香酸ナトリウムとビタミンCによるベンゼン生成のメカニズムです。
アスコルビン酸が、鉄や銅など微量の金属を触媒として、ヒドロキシルラジカルを生成し、これが安息香酸と反応してベンゼンが生じるとのこと。
安息香酸ナトリウムは、保存料です。ビタミンC(アスコルビン酸)も酸化防止剤としてよく使用されています。
ビタミンCが添加物として使用されていなかったとしても、フルーツジュースなど食品そのものがビタミンCを含む商品もあります。
清涼飲料水でベンゼンが発生するのは、決して珍しいケースではないのです。
日本で見つかったベンゼン入りの健康飲料
日本では、平成18年に、厚生労働省が31商品を選び、調査を行ったところ、1商品から基準値の7倍を超えるベンゼンが見つかり、回収騒ぎとなった経緯があります。
ちなみに回収となったのは、DHCのアロエベラジュースです。
WHOの基準値が10ppb、このジュースを3本ランダムに調べた平均値が70ppb越えだったそうです。
健康食品から見つかったというのが、また皮肉ですね。
簡単に見つかるベンゼン入りの飲料水
こちらは広島県獣医師会による任意調査です。
調査対象となったのは、安息香酸ナトリウムを含む、清涼飲料水が12商品、醤油が3商品です。
そのうち、3つの商品からベンゼンが見つかっており、その濃度はそれぞれ 1.06、0.67、0.79 でした。商品名は明らかにされていません。
3つのうち2つは、ビタミンCを含有しない商品からベンゼンが検出されました。
つまり、ビタミンCに限らず、還元性のある有機酸や糖類が共存すると、安息香酸と反応してベンゼンが生成されるということです。
同じ商品でも、製造から年月が経っているほうが、ベンゼンの濃度がより濃いことから、反応は時間の経過とともに進むことを指摘しています。
この調査では、WHOの基準値10ppbをかなり下回っていはいたものの、ベンゼン入り飲料水はかなり高確率で見つかることが分かります。
ベンゼン入り飲料はなぜ規制されないのか?
ベンゼン入り飲料がなぜ法規制されないのかというと、大気中にもベンゼンが含まれているからです。
ベンゼン摂取は大気からが半分以上、ドリンク類は毎日大量には飲まないよね。だからそっちを規制してもしょうがないよねってことです。
肺から取り込まれるのと、口から食品として入るのと、どっちがどうなの?というのは正直よくわかりません。
いずれにせよ、わざわざ添加物の多い(リスクのある)商品をお金を出して買うことはせず、良質なものに購買投票をしたいと思います。
この辺は各個人それぞれでご判断してください。
ビタミンCサプリメントと安息香酸ナトリウム入りの栄養ドリンクを同時に飲むと?
ちょっと恐ろしいことを想像してみます。
もし、安息香酸ナトリウムが使用された栄養ドリンクと、ビタミンCのサプリメントを同時に飲んだ場合はどうなるのでしょう?
胃の中でベンゼンが発生するのでしょうか?
身体には触媒となる鉄分や銅、亜鉛など微量ミネラルが存在します。
それどころか、ビタミンCが無くても、胃酸という強烈な酸性物質が存在します。
実際には、ベンゼン生成の反応は比較的緩やかに進むので、そのリスクは少ないそうです。
しかし「怪しきには近寄らず」が正解かと。私は絶対やめときますw
なぜ添加物を避けたほうが良いのか?
これは食品添加物による問題点が現れた典型的な例です。
食品添加物は、単体では試験され安全性が確認されると使用を認められるのですが、他の成分と一緒になったときに、どういった反応を起こすかは調査されません。
添加物の作用は一長一短があり、それぞれのメリットを生かすため複数を混合するのことがほとんどで、1種類だけの添加物を使うことはマレです。
同じ商品でなくても、他の商品と一緒になった時にどういう反応が起こるのか、
そこまで調べて安全性を担保することはありません。
身体を複合汚染から守る為にも、
シンプルな成分で、良質の商品を作るメーカーを応援するためにも、
意識を持って消費行動に反映させるほうが賢明だと思います。
そもそも添加物の多いものを選ばない、これにつきます。
疲れたからと言って、コンビニで栄養ドリンクを買って、ビタミンCのサプリメントを同時にがぶ飲みといった愚行をなさらないようにご注意くださいませ。