【サプリメントが効かない理由】歯周病があれば栄養療法は非効率です

栄養療法が効かない場合は「炎症」を疑え


栄養療法とは、細胞に必要な栄養素を、分子レベルで効率良く届けるという治療法です。

どんなに食事を改善しても、サプリメントで補充しても、必要な栄養が、必要な細胞に届かなければ、効果は出ません。

細胞に栄養が届かない原因の一つが「炎症」です。

炎症があるとサプリメントが効かない2つの理由

1. 免疫グロブリンが必要になる

体内のどこかに「炎症」があると、炎症の消火活動に栄養が消耗されます。

体の隅々まで栄養を運ぶには、運搬トラック役のたんぱく質が必要です。これを「アルブミン」と言います。
ところが、炎症があると、兵士役となるリンパ球たんぱく質の「グロブリン」が多く必要になります。

炎症があると、アルブミンが減ってグロブリンが増えます。
兵士が増えて、ロジスティックは不足した状態なので、栄養の運搬効率が落ちます。

免疫グロブリンに栄養を奪われると、他の細胞の栄養状態はおざなりなんですな。

ちなみに、栄養療法的には「アルブミン:グロブリン = 2:1」が理想値です▼

2. 胃腸の慢性炎症で栄養の吸収が悪くなる

急性の炎症は、戦争の爆撃みたいなもんで分かりやすいです。
CRPがスパーンと跳ね上がり、敵も特定しやすいので、ドクターもすぐに火消し作業をしてくれます。

問題は慢性炎症です。

慢性炎症は自覚もありません、病院でも完全スルーされます。

慢性炎症は、テロリストが潜伏しているようなもんで、厳戒態勢がしかれっぱなしですから、日常生活には支障なくても、決して平和な状態じゃないんです。

炎症の火消し役となるリンパ球は、全身を巡りますので、関係ないところまで、慢性炎症になります。

港も空港も高速の入り口も、全部厳戒態勢にしちゃうんです。

これを、免疫の「ホーミング」と言います。

口腔内に慢性炎症があると、免疫ホーミングにより、胃腸も慢性炎症を起こします。

胃腸粘膜に慢性炎症があると、栄養の吸収効率が落ちます。

サプリメントを補給しても効果がないときは、慢性炎症を疑ってみたほうが良いです。

口の中の慢性炎症をチェックしよう

栄養療法でチェックすべき代表的な慢性炎症は「上咽頭」と「」です。

喉と口は、空気と食べ物という、異物が最初に通る関所なので、慢性炎症が起きやすい部分だからです。

内臓と違って見える部分ですから、対処しやすいこともあり、まず喉と口腔内の炎症にアプローチします。

 

上咽頭の慢性炎症対策は、Bスポット治療や鼻うがいです▼

 

口腔内の慢性炎症とは、歯周病、虫歯、歯根感染、歯肉の炎症などです。これはとにかく「歯医者行け」てハナシです。

歯周病菌は、炎症サイトカインの「TNF-α」を発生させます。

TNF-α」は、インスリンの感受性を低下させます。
インスリンが効きにくくなると、高血糖になりやすくなるということです。

高血糖になると血管に炎症が生じやすくなりますので、全身に慢性炎症を起こします。

さらに、歯周病菌の出すLPSという毒素が全身を巡るので、最悪、心筋梗塞のトリガーになります。

大人になると80%以上が歯周病菌を持っていると言われます。歯周病菌をゼロにするのは所詮無理、せめて、歯石取りと歯のクリーニングをマメに行って、歯周病菌に快適な住処を与えないことですね。

半年に一回は歯医者行くのがベストかと思います。

歯根治療をしたら栄養状態が改善?

2016年1月に歯根治療をしました。

疲れると、なんとなく歯茎が疼く、そんな感覚があったんですね。

歯医者で歯根治療開始。想像以上に歯根に感染がありました。

1年後、経過観察のためレントゲンを撮ったところ、影の見えた部分にすっかり骨が再生され、違和感もなくなりました。

その後は、こちらで書いたとおり、地味にアブルミン値が改善しました。(歯根治療だけが原因じゃないかもしれませんが)

 

ちなみに、病巣部は、保険内診療のレントゲンだと写らないこともあります。(私はこれに該当しました)

歯医者に行く場合は、念のため、保険外診療も受けることを推奨します。

栄養療法の効果が出ないときは歯科治療を

栄養療法と口腔内の状態は密接な関係があります。

 

例えば、アマルガム(水銀)があると、タンパク質不足や皮膚炎など、亜鉛不足と同じ症状が出ます。

水銀は、亜鉛と拮抗作用があります。身体に存在できるミネラルは量が一定ですから、類似したミネラル元素同士で、イス取りゲームになるからです。

また、水銀はカンジダ菌の大好物なので、腸カンジダのリスクも上がります。

 

もともと口腔内は、食べ物を1日何度も受け入れ酸性になりやすい環境です。金属製の歯の詰め物は、長い年月をかけて少しづつ腐食します。

デトックスの下手な体質だと、溶け出した重金属が体内に居座り続け、酸化ストレスの原因になり、必要なミネラルの吸収障害を起こします。

 

症状がなければ歯医者に行かないという人が多いですが、症状がなくても、定期的に歯医者に行って以下のポイントは要チェックです。

・歯周病をチェック、歯石を取ってクリーニング
・金属の詰め物があれば除去する
・虫歯の治療、特に昔の治療痕、被せ物の下は要注意
・歯根のチェック、違和感があれば歯根感染の疑いあり

保険外診療だと、定期検診とクリーニングだけでも、¥20,000ぐらいが相場ですが、美容院にも毎月行くし、人によってはネイルも行きますよね。

コストパフォーマンスを考えると、半年に一回の歯医者はむしろ安いかと。

 

効率よく栄養が回せる身体になると、サプリメントは不要になりますので、歯医者で炎症を取るのは自然なアンチエイジング法です。

サプリメントの効果が出ない人は、歯科で口腔内の炎症をチェックしてみてください。

 

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