蕗(フキ)は花粉症に効果あり
春になると八百屋で見かける蕗(フキ)ですが、抗ヒスタミン作用があり、花粉症に効くことは案外知られていません。
これを最初に発見したのは、オリザ油化株式会社という愛知の会社で、今から10年位前に発表されました。
フキの効果ですが、
・炎症性サイトカインのTNF-αを抑制する(抗炎症作用)
・鼻詰まりの原因であるロイコトリエンを抑制する
といったところで、まるで花粉症のために存在するような野菜です。
もともと西洋フキの根っこエキスが、アレルギー性鼻炎に効くことが分かっていました。
じゃあ日本のフキもなんか効くんじゃね?と研究がスタートしたのがきっかけのようです。
西洋フキは英語で「Butterbur(バターバー)」と言います。
バターバーの根は、季節性の頭痛に効くとされ、アイハーブでも結構人気のサプリメントです。
Now Foods, バターバー(西洋フキ)60ベジカプセル
ところが、この西洋フキの根っこエキスに含まれていた「pyrrolizidine alkaloids(ピロリジジン・アルカロイド)」が、肝障害を起こす可能性があるとイギリスの研究機関が発表。
日本でも厚生労働省が注意喚起を出すことになりました(2012年)
もちろん、西洋フキの根っこエキスのピロリジジン・アルカロイドは、日本のフキには含まれていません。
そもそも種類が違うし、根じゃなくて地上部分なので、別物なんですが、なんかイメージダウンですよね。
オリザ油化さんが、最初に発表した論文で「Japanese butterbur」と英訳せずに、学術名の「Petasites japonicus(ペタシステス・ジャポニカ)」としていれば、ちょっとは違っていたのでしょうか??
フキは、花粉症対策としては、甜茶よりも効果が大きいらしいのですが、フキ茶とか、フキエキスとか、全く人気化しておらず、若干不憫ですw
日本のフキの抗炎症、抗アレルギー作用については、世界的に認められております。
主に韓国・香港などアジア系大学で研究されているようです。
春は「ほろ苦い野菜」で食養生を
春になると食卓に登場する、タケノコ、タラの芽、フキなど、
子供の頃は、苦いだけで美味しさが分からず、
大人になってからも、食品として栄養価値あるのかワケわからん、と正直思っておりました。
しかし、春野菜独特のほろ苦い成分こそが、ポリフェノールやフラボノイドそのものです。
タケノコのチロシンは抗うつ作用で有名ですし、
タラの芽には血糖値抑制のあるエラトサイドというサポニンの一種が含まれており、肝機能を高めると言われています。
フキは、抗アレルギー、抗ヒスタミン、抗炎症作用と、春の野菜はかなり優秀です。
季節のものを食べるのは、く身体をいたわる’食養生’であり、
自然の理にかなった、生活の中の医学だなと思います。
今年も早速茹でて、茹で汁と一緖に保存しておきました。
こうしておくと、いつでも料理に使えるので便利です。
鮮やかな翡翠色に、気持ちも豊かになります。
煮物、油炒めが美味しいのですが、私のオススメはお味噌汁です。
毎日食べても飽きない。最高。
今年もフキ料理を美味しく楽しみながら花粉症対策したいと思います。