肉食は骨粗鬆症の原因になるのか?
動物性のタンパク質を多く食べると、骨からカルシウム脱灰が起き、骨粗しょう症になるという説があります。
人間の血液はpH7.3~7.4の弱アルカリ性に厳密に保たれています。
肉や乳製品など、動物性の高たんぱく食は、血液が酸性化します。
血液をアルカリ化しようとする恒常性が働くため、骨からのカルシウム脱灰が起きるという説です。
これが本当だとすると、現在、糖質制限やMEC食を実践している世代が、60代を超えてきたあたりで、骨粗しょう症が増えることになります。
もしかすると、歴史が証明するのかもしれません。
私も肉食党なので他人事ではありません。
でも「肉食=骨粗鬆症」をサポートするデータって見つから無いんですよ。
高タンパク食はカルシウム吸収に有利
「高タンパク食=骨粗鬆症」の図式は、1977年のマクガバンレポートあたりが発生源のようですが、現在は否定されています。
今はタンパク質を摂ると、カルシウム吸収が増加し、骨粗鬆症は減るよっていう論調が最近の傾向です。
例えば、こちらのメタ解析。
タンパク質摂取量と骨密度との間には、有意な正相関があったよ、と結論してます。
主に高齢女性の食事を中長期にわたって調べており、データの量も多く、信憑性あり。
Dietary protein and skeletal health: a review of recent human research
肉食するぐらい元気ということは、胃腸も健康で消化力もある。
必然的に運動量も増えるでしょうから、その辺も優位な結果となるんでしょうね。
また、動物性のタンパク質に多いアルギニンやリジンは、腸におけるカルシウム吸収を増加させることが分かっています。
骨の構造は、鉄筋の部分がコラーゲン(タンパク質)で、セメント部分のカルシウムです。
タンパク摂取量の増加はコラーゲンの増加ですから、むしろ「高タンパク食は骨密度に貢献する」が結論です。
カルシウム・パラドックスの疑問
菜食・穀物食のほうが骨の健康に良いする説ですが、
昔の日本人は、めったに肉・乳製品を食べ無いのに、骨粗鬆症はほとんど無かった
という事実から来ています。
いわゆる「食の欧米化」犯人説です。
しかし、その時代は砂糖を始めとする精製糖がほぼゼロでした。
抗生物質も無く、腸内細菌も多様性に富み、車も無いから運動量も多い、
この辺が、骨が健康だった理由のような気がします。
腸内細菌の状態が良いとカルシウム吸収も上がります。
北欧など、乳製品の摂取が多い国ほど骨粗鬆症が多いという「カルシウム・パラドックス」も、
清涼飲料水の消費量や、日照量の不足を加味すれば、データ解析結果は変わってくるんじゃね?と個人的には思ってます。
肉食メインの私の場合
私は数年前まで、菜食・穀物食メインでした。
ローフードに凝った時代は、朝昼夜と食事がスムージーでした。笑
さて、食生活変化による骨密度の変化です。
2012年、今から5年前です。朝はスムージー時代の骨密度検査です。
骨の硬度は102
同年代比較すると、120%なので、けっこう優秀です。
先日、同じ検査をしてきました。
結果は、113
前回より10以上アップ
同年代と比較して136%!
ちょっと優秀すぎて機器を疑いましたがw
前回の検査時(2012年)以降、栄養療法をスタートしましたので、かなりの肉食・高タンパク食にシフトしています。
また、今回の検査時に、数値が改善していたのは、下記の影響が大きいと思います。
自分の場合、肉食よりも、サプリメントによるVD、VC、Mg摂取、運動のほうが影響大という結果になりました。
よって「肉食だとカルシウムが脱灰する」は私には当てはまらず。
今後もお肉食べて養生しますw
ちなみに、
この検査ですが、銀座ファンケルスクエアの7階で可能です。要予約。
通常¥1,000ですが、ウェブで事前にメンバー登録すれば¥500です。
超音波による計器は、X線による検査よりも精度が落ちますが、わざわざ無駄な放射線を浴びることはないので手軽ですよ。