カフェイン摂取量が増えるとビタミンD欠乏症のリスクが高くなる

カフェイン摂取量とビタミンD欠乏の関係

まごめじゅん

カフェインでビタミンD欠乏のリスク増大。コーヒー、エナジードリンクに注意喚起を改めて。

奥平先生がときどきシェアされる論文。備忘録で残しておきます。

カフェイン摂取がビタミンDの受容体の発現を減らす可能性

カフェイン摂取量の増加は、25-ヒドロキシビタミンD欠乏症と関連するようです。

食事に含まれるカフェイン摂取と25(OH)Dの欠乏との関連を調査。2005-2006年13,134人(30歳~47歳)のデータを使用、25(OH)Dの欠乏レベル(<20 ng/mlまたは<50 nmol/L)とカフェイン摂取量を調査。
カフェインの最も高い摂取量(15.8±9.5、51.9±11.9、および177±156 mg/日)は、摂取量の少ない(2.19±1.04 mg/日)と比較して、25(OH)Dの欠乏が高い。年齢、性別、体重を考慮したオッズ比は1.4
結論、カフェインの高い摂取量は25(OH)D欠乏と関連。

Higher intakes of dietary caffeine are associated with 25-hydroxyvitamin D deficiency, DOI: 10.1024/0300-9831/a000727

カフェイン摂取量が増えると、ビタミンD欠乏症のリスクが大きくなる

どうやら、カフェインはビタミンDの受容体の発現を減らす可能性があるらしい。

The Effect of Caffeine on Calcitriol-Inducible Vitamin D Receptor-Controlled Gene Expression in Intestinal and Osteoblastic Cells, DOI: 10.1007/s00223-019-00602-4

Caffeine decreases vitamin D receptor protein expression and 1,25(OH)2D3 stimulated alkaline phosphatase activity in human osteoblast cells, DOI: 10.1016/j.jsbmb.2006.12.037

カフェインは、ビタミンD受容体の発現を減少させる

コーヒー1杯(150ml換算)に含まれるカフェイン量はインスタントコーヒーで80mg、ドリップコーヒーで90mg、

1日2杯でビタミンD欠乏のリスクが上がるということ。

ちなみに、エナジードリンク1本のカフェイン量は142㎎。

ビタミンD欠乏症になるということは、免疫の不健全度が上がるので、感染リスクがあがる、自己免疫疾患にもなりやすくなる、ガンにもなりやすくなる。もちろん、骨も弱くなります。

コーヒー、エナジードリンク、常飲している方は要注意。

カフェイン摂取量増加で骨粗しょう症リスクが高くなる

よくよく調べると、スエーデン国立食品局の疫学調査でも、3万人以上を10年トレースして、カフェイン摂取量が多い人は骨粗しょう症の発症リスクが高かったとのこと。

カフェインは、骨芽細胞(骨を作る細胞)にあるステロイド受容体を活性化するらしい。

つまり、カフェイン常飲でステロイドの副作用(骨粗しょう症)が出やすくなる。

自家製ステロイド(コルチゾール)でも作用は同じだから、ストレスを感じやすい人がコーヒー中毒になって、その副産物が骨粗しょう症という、笑えないストーリーが想像できます。

骨粗しょう症という”病名”で語ると、「わたしにはまだ関係ないわ」と感じられるかもしれませんが、骨がスカッとしてくると「たるみがひどくなる」のですよ、と説明するとみなさんドキっとされるかもしれません。

「骨と顔のたるみが関係??」という方は以下の記事をご参照ください。

女性の更年期、コーヒー常飲は推奨しません。飲むなら1日1杯以下。

カフェイン摂取量の増加は骨粗しょう症リスクに関係

「副腎疲労で老け顔になる」というストーリーを解説してみる

さて、分子栄養学マニアの私の脳内では、こんなクイズを妄想したくなるわけです。

問題
「ストレスを感じやすい人が老け顔・ブルドッグ顔になる」この機序は?

回答
ストレスを感じる毎日
→副腎疲労初期、コルチゾール量産
→コーヒーに頼る毎日、カフェイン摂取量が増加
→ビタミンD欠乏&骨芽細胞にコルチゾール作用
→骨が痩せて、顔がたるむ
→骨粗しょう症のおまけ

摂取する栄養素とライフスタイルの違いが、加齢にどう影響を与えるのか?は、栄養オタクにとって大きな関心ごと。

小さな情報から仮説を組み立て、日常のリアリティあるストーリーに展開していく、この妄想が分子栄養学マニアの楽しさなんですっ。

あらためて、カフェインには注意喚起を続けたいし、コーヒーという飲料はある一定の”ワキマエ”が必要な大人の嗜好品であること、ここに念押ししておきます。

  

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