白髪とミネラルの関係
白髪と栄養の関係、ビオチンよりもミネラルかもしれません。
先日、白髪とビオチンはあんまり関係なさげという記事を書きました。
この記事を書くにあたって、いろいろ調べていたら、白髪(特に若白髪)はミネラル不足かもというレポートが気になりました。記録しておきます。
#1 若白髪の人は血清鉄・フェリチン・カルシウムが低め
白髪の方と、そうでない同年代の方の採血データを比較すると、血清鉄、フェリチン、カルシウムが低めだったとのこと。インドの大学からのレポート。
若白髪の患者は、血清鉄、フェリチン、カルシウムの値が、若白髪無しのコントロール群と比較して有意に低かった。対象者は20歳未満の若白髪50人の患者。
若白髪発症の患者は、白髪発症の年齢が平均よりも約2年早い。
女性は男性の 1.38倍 発症比率が高い。
Serum Iron, Ferritin and Calcium Levels in Premature Canities., DOI:10.4172/2167-0951.1000142
どれくらいの数値だったか、採血データマニアとしては気になるところ。
左の数値が若白髪群、()内は白髪無しのコントロール群です。
- 血清鉄 78.42 ±30.16(106.32 ±32.53)
- フェリチン 63.29 ±28.13(97.08 ±33.21)
- カルシウム 9.0 ±0.50(9.52 ±0.68)
血清鉄の中央値80以下は、やや低めという印象。
フェリチンは人種が違うので数値自体を日本人とは単純比較するのは無理があるけど、30以上開きがあるところをみると、白髪に鉄欠乏は関連がありそう。
女性は男性の1.38倍、若白髪の発症比率が高いというのも、鉄不足を裏付けするデータです。
#2 若白髪の人は血清鉄・血清銅・カルシウムが低め
白髪の患者は、血清鉄、血清銅、カルシウムがコントロール群と比較すると低めだった。
さらに、白髪の重症度が大きくなるほど、それらのデータは小さくなる、負の相関あり。
エジプトの大学の報告より。
血清鉄、銅、およびカルシウムのレベルは、白髪の重症度と相関していました。
若白髪は、髪が十分な栄養素とミネラルを摂取していないことを示している可能性がある。
Relationship between Trace Elements and Premature Hair Graying., DOI:10.4103/ijt.ijt_8_18
#3 若白髪の人は血清鉄・血清銅が低め
若白髪の人は血清鉄・血清銅が、コントロール群と比較すると低め、血清亜鉛は有意な差はなし。
20歳未満の若白髪の患者66人が対象。コントロール群は66人の若白髪のない同年齢。若白髪の発症の平均年齢は15.5±3歳。
コントロール群と比較して患者で有意に低かったのは、血清銅、血清鉄、血清亜鉛は、対照群との間に有意差なし
Serum iron, zinc, and copper concentration in premature graying of hair.,Biol Trace Elem Res. 2012 Apr;146(1):30-4.
数値比較。左が若白髪の人、()内がコントロール群
- 血清鉄 88.8 ±39.5(108.3 ±48.4)
- 血清銅 90.7 ±37.4(105.3 ±50.2)
- 血清亜鉛 114.8 ±67.8(108.2 ±49.9)
白髪とミネラル不足は関係あるかも
全ミネラルを比較したわけでもないですし、そもそも採血のミネラル値は日内変動も大きく、溶血や炎症の有無などに影響を受けやすいです。
調査結果の精度は高くない前提で、とりあえず現時点で分かっているのことをまとめると、白髪の人は鉄、カルシウム、銅あたりが不足していそうということ。
特に鉄欠乏は関連強いと推測します。
とは言うものの、どのレポートも、ミネラルだけに限らず全体的に栄養状態が低下していそうだなあ、という印象でした。
ミネラルが低いということは、胃・腸管の状態も察しがつきますしね。
「白髪には何の栄養素が良いんですか?」と聞かれたら、鉄欠乏を改善する前提で、全体的な栄養状態を底上げするのが一番ですよーと答えるのが現時点のベストエフォートです。
今日のまとめ
白髪(若白髪)の人はミネラル値(鉄・銅・カルシウム)が低め傾向