さくらんぼ(チェリー)に痛風の予防効果
今が旬の「さくらんぼ」の栄養学。さくらんぼは痛風予防効果はけっこう有名です。
さくらんぼ、実は痛風によいという論文が多いのです。ご存じでした?
6つの研究で、サクランボ摂取後の痛風の発生率と重症度の低下が報告されている。
サクランボジュース摂取で尿酸値が低下。
Effectiveness of Cherries in Reducing Uric Acid and Gout: A Systematic Review., Evid Based Complement Alternat Med. 2019 Dec 4;2019:9896757.
サクランボは痛風とその関節症の炎症を軽減する可能性がある。
Is there a role for cherries in the management of gout?., Ther Adv Musculoskelet Dis. 2019 May 17;11:1759720X19847018.
サクランボを摂取したグループは、摂取しなかったグループと比較して痛風発作のリスクが 35% 低下する。アロプリノール(痛風・高尿酸血症治療薬)とサクランボ摂取の組み合わせは、発作のリスクが75%低下した。痛風患者 633人が対象。
Cherry consumption and decreased risk of recurrent gout attacks., Int J Periodontics Restorative Dent. Jul/Aug 2019;39(4):e129-e155.
サクランボ(チェリー)の尿酸値低下・抗炎症作用
なぜサクランボが痛風に良いのか?という点は、ビタミンC、ケルセチン、アントシアニンなどによる抗酸化作用、抗炎症作用などが主な理由。
それ以外にも、どうやらサクランボ独特のバイオフラボノイドにCOX阻害作用があるらしく、鎮痛・解熱・抗炎症作用を認めるとのこと。
面白いことに、尿酸値低下作用はサクランボ特有。
同じように大量のアントシアニンを含むブルーベリーでは尿酸値は下がらない。
アイハーブで「タルトチェリー」のジュースを濃縮したサプリメントが販売されています。
コメント欄を読んで分かる通り、チェリーエキスは痛風予防、高尿酸血症対策に使っている方が多い。
日本のサクランボと海外のサクランボは、アントシアニンなどの量でかなり相違がありそうなので、同じような効果があるかどうかはわかりません。
だけど、サクランボ特有の(まだ未解明の)成分が尿酸の排泄や抗炎症に関与している可能性もあります。
自然界の成分を、我々動物がどう利用しているのか、まだまだ分かっていないことの方が多いのですよ。
チェリーボーイ⁉
尿酸はエストロゲンの作用で排泄が促進されるので、高尿酸血症は男性に多い症状です。
痛風・高尿酸血症の方のイメージは、お酒が好きで、少しガタイの良いおっさん。
サクランボというフルーツの可愛らしさとあまり似つかわしくないタイプが、実はもっともサクランボを愛すべき人たちなのです。
いっそ「チェリーボーイ」を再定義して、高尿酸血症男性の愛称として使えば、痛風が減るかもしれません(ンナワキャナイ)
今日のまとめ
・サクランボ(チェリー)は高尿酸血症改善・痛風予防効果がある