認知症になる人とならない人の違いは何か?
認知症のリスクが数倍になる遺伝子をAPOE4(読み:あぽいー・ふぉー)といいます。
私はAPOE4の遺伝子を1個保有しています。
APOE4ゼロの人と比較すると認知症になるリスクが3倍です。
ところが、この認知症リスク高の遺伝子を持っていても、認知症にならない人はなりません。
なにがその違いを生むのでしょうか?
4年間かけて5,000人近くを追跡したコホート研究によると「その人が加齢をどのようにとらえているか?」という考え方の影響が大きいという結果が出ています。
60歳以上で認知症のない4,765人を4年間追跡調査した。加齢に対してポジティブな考え方をしている人は、そうでない人に比べて認知症を発症するリスクが49.8%も低かった。
Positive age beliefs protect against dementia even among elders with high-risk gene., PLoS One. 2018 Feb 7;13(2):e0191004.
APOE遺伝子を保有していようが、保有してなかろうが、認知症リスクは”加齢に対する考え方”のほうが影響大きいようです。
Plosに全文出ていたので読んでみました。
”加齢に対してポジティブな考え方”というのは、例えば、以下のような、加齢に対して悪い考え方をしていないということです。
- 加齢は悪いものである
- 加齢によって自分はダメになっていく
- 年齢を重ねることは出来れば拒否したい
全体的に「加齢すること」が”受け入れがたい、ダメなもの”となっていないかどうか?がポイントです。
50%もリスク度が変わるって、めちゃくちゃ大きいですよ。
やはりポイントは意識、脳の使い方なのです。
これは、私が今行っているカウンセリングにも通じるところなので、この論文は鼻息荒く読みました。
「何かを避ける」という意識が病気を作る
人間は”何かを避けたい”という潜在意識があれば、それは「恐怖」の意識レベルにいるので、ATPの収支決算が赤字になり病気を呼び寄せます。
同じ仕事で同じくらいの労働をしていても「貧乏になりたくないから」という理由で働く人と、「このような世界を作りたい」という理由で働く人はエネルギー(ATP)の産生量が違ってくるのです。
当然ですが、前者のほうが病気になりやすい。
同じサプリを飲んでいても「病気になりたくないから」という理由で飲む人と「こんな自分になりたいから」という理由で飲む人では結果が違ってきます。
なので、カウンセリングでは「あなたがどうなりたいのか?」というアプローチを大事にします。
目的を置き去りにしたオプティマルヘルスは存在しません。
遺伝子の影響よりも、生き方・考え方のほうが身体に影響が大きいという、実感として納得感の大きい研究結果でした。
私たちの人生に対する考え方、捉え方、そういった脳の使い方のほうが、遺伝子単体よりも重要なのです。
ものごとの考え方、捉え方によって、遺伝子の影響も変わります。
今日のポイント
加齢に対して”受け入れがたい、ネガティブなイメージ”を持っていると認知症リスクが高くなる。