【貧血】ヘモグロビン(Hgb)も回復はミトコンドリア機能次第

ヘモグロビンとは?

健康診断の結果を出して
じっくり見てみてください。

ヘモグロビン(Hgb)
という項目があります。

ヘモグロビンは赤血球の
中の主要な成分です。

健康な方だと
女性は13.0
男性は15.0が目安。

 

「グロビン」がタンパク質、
「ヘム」が鉄のことです。

グロビンというタンパク質に
ヘムという鉄がくっついた状態
これがヘモグロビンの構造。

ヘム鉄の構造

この「ヘム鉄」を分解しますと、
ポルフィリン環という座布団に
鉄がくるまれたような恰好です。

 

余談ですが、ヘム鉄と
葉緑素(クロロフィル)の
形はよく似てます。

ポルフィリン環に抱かれてるのが、
ヘム鉄の場合はですが、
クロロフィルの場合はマグネシウムです。

 

植物の場合は、二酸化炭素と水から
光の力を拝借してエネルギー(糖)
を作りますが、人間はその逆、
糖からエネルギーを取り出します。

その反応の中心となる物質が
それぞれ似た構造というのは、
なんか意味あんじゃねえの?
と思わず考えてしまったら、
あなたも立派な分子栄養学マニアです。

 

閑話休題

今日のテーマは
「ヘム鉄」の合成について
です。

ヘム鉄はミトコンドリア内で合成される

ヘム鉄はミトコンドリアの中で作られます。
TCA回路の「スクシニルCoA」が起点です。

 

ミトコンドリアのマトリクス内で
スクシニルCoAにグリシンが合体して
αアミノレブリン酸(ALA)が出来ます。

ALAは、ミトコンドリアの外、
細胞質側に出てポルホビリノゲンになります。

その後、窒素をくっつけながら
ポルフィリン環の原型を作って
改めてミトコンドリアの中に戻ります。

ミトコンドリア内で鉄と合体してヘム鉄になり、
改めてミトコンドリアの外へ出荷されます。

 

これら一連の反応が、
赤芽球(赤血球の赤ちゃん)の中で起こり、
小胞体で合成されたグロビンとくっついて
ヘモグロビンになります。

ヘム鉄が合成されたら、
赤芽球はミトコンドリアや核
などの細胞内小器官を捨てて
赤血球へと成熟します。

 

サプリメントで鉄をとっても
採血データのヘモグロビン値が
なかなか上がってこない人は、
まず疑うべきは炎症ですが、

ミトコンドリア機能が落ちていても
ヘモグロビンもうまく合成出来ない
ということ。

なにかにつけて、ミトコンドリアは
重要なキーファクターですね。

 

ちなみに今日の内容は、
詳しくは「忙しい人のための代謝学」
に詳しく掲載されています。

 

ここ★でも書きましたが、
感動的なスーパー良書ですから
分子栄養学を学ぶ人は
絶対買っておきましょう。

 

今日のポイント

  • ヘモグロビン=ヘム鉄+グロビン
  • ヘム鉄=ポルフィリン環+鉄
  • ヘム鉄はミトコンドリア内で
    スクシニルCoAを起点に合成される。

 

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