ケロイド体質とビタミンD

ケロイド体質とビタミンD

ZOOMセミナーは質疑応答の
時間が楽しみでもあります。
講師としては「ほう、そういう
ところが疑問に思うのか?」
など発見の宝庫ですから。

会場で行うリアルセミナーと違って、
撤退時間を気にしなくてもよいので
いつもついつい話し込んでしまいます。

 

先日のZOOMセミナー
「肌の老化を止める栄養学」で
ケロイドに関する質問を
いただきました。

「ケロイド体質の人は
栄養面でなにか違いが
あるのでしょうか?」と。

ケロイドと栄養について、
詳しく学習したことはないので、
改めて調べてみました。

 

ケロイドの定義を調べると、

肥厚性瘢痕、線維芽細胞および細胞外基質の増生を主体とする皮膚の良性腫瘍性疾患

なんのこっちゃ。分からん。

とりあえず、
’ケロイドの原因はわかっていない’
ということが分かりました。

 

ケロイドって、要は
コラーゲン産生の暴走ですよね?
つまりたんぱく質の発現の
コントロールが効かない状態。
もしくは、未分化細胞の増殖。

このあたりの
コントロールといえば
ビタミンAとビタミンDです。

調べてみると
ケロイドはビタミンD不足と
関係が深いようです。

代表的なところをざっくりとメモ。

 

血中のビタミンD(25OHVD3)レベルが低下すると、ケロイドの重症度は重くなる。

Correlation Between Serum 25-Hydroxyvitamin D Levels With Keloid Severity

 

ケロイド瘢痕の大部分でVDR(ビタミンD受容体)の低下が起きていた。

Abnormal Expression of the Vitamin D Receptor in Keloid Scars

 

ケルセチンとビタミンD3がケロイド細胞増殖を低減(in vitro)

Response of Keloid Fibroblasts to Vitamin D3 and Quercetin Treatment – In Vitro Study

 

ビタミンD不足と高血圧はケロイドになりやすい。

The Role of the Renin-Angiotensin System and Vitamin D in Keloid Disorder-A Review

 

ビタミンA関連も
けっこうあったのですが、
そっちはどちらかと言えば、
塗ったり貼ったり系で
出来ちゃったケロイドを治す系。

レチノールのクリームとか
けっこう人気ですしね。
ビタミンEも同じく。

 

ケロイドは白人よりも黒人など、
皮膚の色素量の多い人に
発生しやすいらしく
その点もビタミンD不足が
関係していることと
合致するんじゃないかと。

(肌の色素量が多い人ほど
ビタミンD合成能は低下します)

 

というわけで、
先日質問していただいた方、
ビタミンD不足を疑ってみてください。

なんといっても現代人は
くる病レベルの人が
たくさんいるくらい
ビタミンD不足が深刻ですから。

ビタミンAもおそらく
関係しているでしょうけど
そちらは週に1、2回ほど
焼き鳥のレバーをおやつに
食べていただければ充足するので、
ビタミンD不足を問題視する
のが順当だと思われます。

もちろん、コラーゲン産生に
重要なビタミンCと鉄、
細胞分裂時に需要が増す
亜鉛は普段から抜かりなく。

 

ちなみに
ビタミンDを活かすも殺すも
マグネシウム次第です。

ビタミンDサプリを摂る場合は
マグネシウム摂取不足にならないよう
気をつけてください。

 

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