「胸腺」(きょうせん)
「胸腺」
あまり聞きなれない臓器ですよね。
胸腺は免疫細胞の学校です。
文字通り胸のところにあります。
うちの勉強会である分子栄養学
実践講座に通う方であれば、
副腎疲労の病態を学ぶときに、
聞いたことがあると思います。
継続的なストレスを与えた
ラットは「胸腺」が萎縮し、
免疫が低下します。
そうです、「ストレス」という名前を
初めて医学用語として使った
ハンスセリエ先生の実験ですね。
胸腺は免疫細胞の学校です。
免疫細胞であるリンパ球には
B細胞とT細胞があります。
未熟なT細胞がちゃんと敵に
立ち向かえるよう、教育するのが
「胸腺」という組織なのです。
漫画「はたらく細胞」の第三巻に
ヘルパーT細胞とキラーT細胞が
胸腺学校で青春を過ごすシーン
があります。
免疫の仕組みは難しいのですが、
最初のとっかかりは漫画
『はたらく細胞』で学ぶのがよいですよ。
私はこの胸腺時代の話が好き。
なにせ胸腺学校はめちゃくちゃ厳しい。
ちゃんと合格して卒業出来る
リンパ球は全体のたった2%程度です!
胸腺学校の鬼教官。(^O^)
胸腺は非常に亜鉛の濃度が
高い臓器です。
亜鉛が欠乏すると胸腺が萎縮し
リンパ球が減少することが知られています。
亜鉛はT細胞の増殖に関与する酵素
プロテインキナーゼや、DNAポリメラーゼ、
RNAポリメラーゼといった酵素の
活性の中心ですから、亜鉛不足があると
免疫細胞の増殖がうまくいきません。
亜鉛が細胞性免疫に重要と言われる
理由の一つでもあります。
ちなみに、、フランス料理にある
「リー・ド・ボー」という料理は
仔牛の胸腺のことです。
白くてふわふわ。亜鉛がいっぱい
含まれている滋養食なんでしょうね。
ま、広尾のフレンチでも行かないと
食べる機会はございませが。
今日のポイントです。
💡 細胞性免疫には「亜鉛」が重要!
💡 亜鉛が不足すると胸腺が萎縮し
リンパ球が減少して免疫が低下する。