【ナイアシンとビタミンAの蜜月関係】ナイアシンが喉頭がん、口腔がんに効果的な理由

ビタミンAの3つの形

ビタミンAには3つの形態があります。

・レチノール
・レチナール
・レチノイン酸

このうち、目に効くのは「レチナール」

レチナールはレチノールから変換されて効果を発揮します。

細胞の分化など、遺伝子に作用するのはレチノイン酸

レチノイン酸はレチナールから代謝されます。

なんだかややこしいですよねー。図にするとこんな感じです。

ビタミンAの代謝はムズイので講義受けたりしないと理解できないと思います。文字情報だけじゃ無理っす。

ビタミンAを代謝する酵素はナイアシンが必要

レチナールからレチノールへ変換する酵素を

・アルコール脱水素酵素(ADH)
・レチノール脱水素酵素(RDH)

と言います。

ビタミンAに限らす、ほとんどの栄養素は活性化されたり、身体で使える形にしないと実際の効力を発揮しません。

その活性化の部分を担っているのがさまざまな酵素です。

アルコール脱水素酵素(ADH)とレチノール脱水素酵素(RDH)、これらの酵素が無かったら、レチナールからレチノールへの変換は行われないので、にんじん食べてもお肌には効かないのです。(ビタミンAに限って言えばね)

 

同じように、レチナールがレチノイン酸に変換されるときに重要な酵素は

・アルデヒド脱水素酵素(ALDH)
・レチナール脱水素酵素(RALDH)

 

多くの酵素というのは、すべからく補因子(補酵素)というものが必要です。

それがビタミンだったり、ミネラルだったりします。

で、
で、ですよ、

これらのビタミンAの代謝にかかわる4つの酵素ですが、すべてナイアシンが補因子です。

 

ちょっとプロっぽく言うと、ビタミンAの代謝にかかわる酵素群のことを「SDR family」と言います。

SDRファミリーとは、NADやNADPに依存して酸化還元を行う酵素群のこと。

参考文献
Understanding retinol metabolism: structure and function of retinol dehydrogenases.

 

補因子はほとんどNADか、NADPです。

NADも、NADPもナイアシンの活性型

正式名称は、

NAD「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド」
NADP「ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸」

まごめ視点の思ったこと徒然

以前、ビタミンB3(ナイアシン)が喉頭がん、口腔がんに効果あるという記載をこちら★で見て、ずっと「なんでかなー?」と思っておりました。

そうか、ビタミンAを代謝する酵素はSDRファミリーなら当然だなと、がんとナイアシンの関係が腑に落ちました。

 

それから、「ビタミン」という名称はいただいてますが、ナイアシン(NAD)は体内でもトリプトファンから合成されます。

※もともと、ビタミンとは、自前で調達できないから、外部(食べ物)から取り入れるものを総称でした。

体内で合成できる栄養素というのは、それだけ優先度が高く、代替できるものがないと考えるほうが自然です。

ナイアシンがゼロになってはレチノイン酸が不足して細胞分裂が止まってしまいます。

イコールそれは生命の危機。体内合成能を維持したのも納得ですよね。

以上、ビタミンAとナイアシンの蜜月関係のお話でした。

(※ビタミンAを使えるようにするには亜鉛も重要なのですが、それはまた別途)

 

今日のまとめ

  • ビタミンAの形は3種類
    レチノール、レチナール、レチノイン酸
  • ビタミンAを代謝する酵素は
    ナイアシン(NAD、NADP)が必要

 

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