ビタミンB2は脂質代謝になぜ重要なのか?
三大栄養素をエネルギーに変えるのに、
ビタミンB群が重要は働きをしています。
三大栄養素のそれぞれを代謝する
ビタミンB群ですが、初心者は大枠で
・糖質を代謝するのがビタミンB1
・脂質を代謝するのがビタミンB2
・タンパク質を代謝するのがビタミンB6
と一意的に覚えておきます。
今日は「なぜ脂質代謝にビタミンB2が
重要になるか?」というお話です。
脂質がエネルギーになる「β酸化」とは
脂質をエネルギーに変えるには、
ミトコンドリアでβ酸化という
反応が必要になります。
この反応を担う酵素が
「アシルCoAデヒドロゲナーゼ」
と言います。
正確には、脂肪酸⇒アシルCOA
⇒アセチルCoAと変化します。
アシルCoAが酸化されてアセチルCoA
になるときの反応が「β酸化」で、
β酸化を担う酵素
「アシルCoAデヒドロゲナーゼ」は
ビタミンB2が無ければうまく働きません。
こういうのを補因子と言います。
ビタミンB2の別名をリボフラビン
というのですが、アシルCoAデヒドロゲナーゼ
のようなビタミンB2に依存した酵素を
「フラビン酵素」と言います。
β酸化されたあと、つまりアセチルCoA
から先の代謝は、糖質と同じ経路です。
その先のTCA回路と電子伝達系でも
ビタミンB2が重要なことは周知のとおり。
ビタミンB2の活性型FAD、FADH₂とは?
ところで、ビタミンB2のことを
別名「FAD」とか「FADH₂」とか
言ったりします。
FADの正式名称は
「フラビン・アデニン・ジヌクレオチド」
(flavin adenine dinucleotide)
「リボフラビン」もビタミンB2だし、
「FAD」もビタミンB2だし
「FADH₂」もビタミンB2です。
初心者はここ辺が「?」になりやすい。
まずは、
非活性型のビタミンB2がリボンフラビンで、
活性型のビタミンB2がFAD、FADH₂
と覚えてください。
活性型??
非活性型??
なんじゃそりゃ?
と思いますよね。
(私もそう思ってました)
では、こう解釈しましょう。
仕事をしてない休日のお父さん
これは非活性型です。
仕事をするには仕事着に着替えて
お仕事モードになります。
これが活性型。
活性型のビタミンB2であるFADは、
TCA回路と電子伝達系において
電子を運ぶという役割があるので、
宅急便の配達員だと思ってください。
FADが電子を2個運ぶとき
FADH₂になります。
この電子はミトコンドリアの内膜で
エネルギーを作るための水車の回す
ボールの役割をします。
だから、
ミトコンドリアでエネルギーを作るために
ボールをたくさん運ぶ必要があります。
それがFADの役目です。
仕事をしてないお父さんも
仕事中のお父さんも同一人物です。
先ほどのβ酸化に必要なもの
FAD(活性型のビタミンB2)です。
基本、仕事をするときの形が活性型です。
荷物(電子)をたくさん運んで
お父さんがたくさん働いている状態
経済も活況ですね。
FADが活発に電子を運んでいるとき、
代謝が正常でATPリッチ、「元気で健康」
ということです。
脂質をエネルギーに変えるにはビタミンB2が必要
おそらく日本で一番有名な
ビタミンB2のサプリメントは、
チョコラB2だと思います。
このチョコラB2の箱の背面を
チェックしてみてください。
「脂質の代謝を助ける」と
書いてありますので。
昨今、牛脂ダイエットとか、
バターコーヒーとか
脂質をメインにしたダイエット法が
流行するようになってきました。
脂質を多く摂るということは、
ビタミンB2が過消費されるということです。
ビタミンB2の働くポイントは
β酸化だけではありません。
過酸化脂質の除去に働く酵素、
グルタチオンペルオキシターゼの
リサイクルにビタミンB2は重要です。
ビタミンB2が不足すると
過酸化脂質を無毒化できずに、
動脈硬化や心疾患、がんなどの
リスクが高まることになります。
ある特定の栄養素が多くなると
それに連動して、その栄養素が代謝されるための
ビタミンやミネラルの過消耗がおきます。
栄養素のバックアップなしに
PFCバランスに極端な偏りを持たせること
には慎重になったほうがよいと思います。
今日のポイント
・脂質をエネルギーに変えるにはビタミンB2が重要
・ビタミンB2の非活性型はリボフラビン
・ビタミンB2の活性型はFAD、FADH₂