通勤時間が長くなればなるほどビタミンCが消耗される
マレーシアの医師会会長が
新型コロナウィルス対策に
「ビタミンなど免疫を強化
する食品を選ぶこと」という
コメントが発表されたとのこと。
栄養によるバックアップについて、
ちゃんと医師がコメントをしてくれる
なんて羨ましいですね。
日本は「手洗い、マスク、うがい」
止まりで、栄養面まで具体的に指示
してくれる人は(一部の栄養療法に
精通した医師以外)ほとんどいない
というのが現状。
なんていうボヤキはさておき、
そのマレーシアの医師コメントで
トップに出てくる一文がこちらです。
“A lack of Vitamin C can make you more prone to getting sick.”
「ビタミンCが不足すると感染しやすくなります。」
みなさまもご存じのビタミンC
免疫を語るうえで欠かせない
栄養素です。
なぜなら、免疫細胞はビタミンCの
需要がとても大きいから。
血液中のビタミンC濃度が高くなると、
マクロファージや好中球など
免疫細胞の遊走性(ゆうそうせい
・細菌に向かって進む能力)が
高くなることが知られています。
「ふむふむ。ウィルスに感染
しないためにはビタミンCを
意識しなきゃ!」と思いますよね。
では、同じようにビタミンCを
摂取していたにも関わらず、
Aさんは感染して、Bさんは
感染しなかった、なんてこと
よくあります。
この差はどうして生じるのか?
ビタミンCの場合は、その人の
ストレスの状態と関係が深いです。
ちょっと面白いデータを紹介します。
通勤時間の長さとビタミンCの関係を
健康な2人の男性で実験したものです。
通勤する前、つまり電車に乗る前の
血液中のビタミンC濃度を100とします。
通勤時間が30分で、ビタミンC濃度は
10%減少して90%になり、
通勤時間が60分になると、66%まで
低下したとのこと。
参考資料 『ビタミンCの事典』石神昭人著
これ、n=2の実験なので、
信用性はさして高くないですが、
ラットを使った研究でも
ストレスを与え、それが長期化
すればするほど、ビタミンCが
消耗されるという点は、ほぼ
似たような結果になってます。
入ってくる量は一緒だけど、
消耗する量がライフスタイルに
よって違うので、同じように
食べたり飲んだりしていても
結果には違いが出るということです。
これが「栄養の個体差」です。
ビタミンCのような水溶性の
ビタミンは、血中濃度が簡単に
動きます。
消耗される分が大きくなれば、
「足しても足りない」なんてことが
起こるわけですね。
ビタミンCとストレス
ビタミンCとストレスの関係は
とてもよく知られてます。
同じ量のビタミンCが摂取できて
いたとしても、その方のストレス
の状態によって必要量は変わる。
つまり、ストレスの多い
ライフスタイルは免疫が低下し
て感染のリスクが上昇する
ということです。
それにしても、、通勤に1時間
というのは、東京だと割とよく
あるのですが、ストレス負荷は
やっぱり大きいですねぇ。
嫌な上司とか、同僚とか、
自覚あるストレスはまだましで、
習慣になってしまって、
無自覚領域に入ってしまった
ストレスには要注意です。
気が付かないうちに、体内に
貯蓄されたビタミンCが枯渇、
ある日突然病気になった!
なんてことにご注意ください。
今日のポイント
・通勤時間が1時間になると
血液中のビタミンC濃度が
34%減少するというデータあり。
・ビタミンCはストレス状態で
消耗量が変化する。