【不妊治療と栄養素】男性の精子に必要な脂質とは?

男性の精子に必要な脂質とは?

精子にはDHA(ドコサヘキサエン酸)
が必要です。

もともと、男性の精巣には
DHAの濃度が高いことが
知られていました。

マウスの実験で、オスの
生殖能力には、DHAが
重要な働きがあることが
わかっています。

 

DHAを含有するリン脂質を
作る酵素を「LPAAT3」と
言います。

「リン脂質」とは、脂質を
含んだ細胞膜のメインとなる
構成要素のことです。

この酵素を作る遺伝子を
ぶっ壊した雄のマウス
(LPAAT3 KOマウス)
は生殖能力がなくなり、
不妊マウスになることが
分かっています。

Lysophosphatidic acid acyltransferase 3 tunes the membrane status of germ cells by incorporating docosahexaenoic acid during spermatogenesis

 

精子の細胞膜はDHAが重要で、
特に精子の成熟過程において
必要だと推測されるとのこと。

DHAが作れなくなった雄のマウスの
精子は正常な形を保てていません。
(写真右側)

 

 

細胞膜は「あぶら」で
出来上がっています。

みなさんが普段食事で
摂取する「あぶら」それが
そのまま細胞膜の中に
取り込まれるのです。

精子の細胞膜を構成するのは
DHAが重要というわけです。

トランス脂肪酸(廉価な
パンやスナック菓子など)
が氾濫する現代、脂質の
クオリティと少子化は
決して無関係ではありません。

 

DHAは、体内で合成できず、
食物から摂取する必要がある
必須脂肪酸のひとつです。

食事で摂るDHAは、
一日に1g~1.5gが理想
と言われています。

どれくらの量かというと、
サンマの塩焼き約1尾、
イワシの煮つけ2尾です。
お刺身ならマグロやブリ
を3~4切れでカバーできます。

魚介類のなかでも、
筋子やいくらは、特に
DHAが豊富な食品です。

 

男性の精子に重要な
栄養素と言えば「亜鉛」
ですが、同時にDHAも
意識するとよいですね。

 

【追記】

日本リポニュートリション
協会からコメントいただき
ました。

妊活中のご夫婦、血液の
脂肪酸検査をしたところ、
ご主人のDHAレベルは平均の
半分程度だったとのこと。

こちらが検査結果。
(ご本人から掲載許可を
いただきました。
ありがとうございます)

トランス脂肪酸や
アラキドン酸が突出して
悪いわけではありませんが、
オメガ3脂肪酸はかなり
平均を下回っています。

こちらの男性は41歳、
朝食抜き、昼外食、夜も
週の半分は外で飲み会
とまあ、平均的な日本人男性
の食生活な感じではあります。

 

不妊と言えば、亜鉛不足
ばかりがフォーカスされる
のですが、脂肪酸との関係は
もっと知られる必要が
あるように思います。

情報のご提供、
ありがとうございました。

 

血液の脂肪酸検査は
郵送で簡単にできます。

気になる方は、こちらの
キットで検査してみては
いかがでしょう(↓)

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