消化酵素を取り続けると、自分の消化酵素が出なくなるのか?

消化酵素を取り続けると、自分の消化酵素が出なくなるのか?

これもよく聞かれる質問ですなので、
記事にします。

 

人間は消化酵素を作るのに、
たいへんなATPを使います。

消化酵素はタンパク質です。

膵臓は四六時中、消化酵素を
せっせと作ります。

 

分子生物学のたいへんな名著
「生物と無生物のあいだ」
福岡博士は細胞がタンパク質を作る
その様子を観察するのに、
動物の膵臓を使っています。

膵臓が消化酵素というタンパク質を
常にせっせと作り続けるので、
観察対象として利用しやすかった
と述べられています。

『生物と無生物のあいだ』福岡伸一先生著~タンパク質を理解するなら必ず読むべき一冊 | ビタミンアカデミー
福岡伸一先生『生物と無生物のあいだ』 福岡伸一先生『生物と無生物のあいだ』再読しました。 1度目に読んだときよりも、心が震えるほど面白かったのは たぶん自分のタンパク質に対する理解のレベルが深くなったのだと信じたい。 この本のメインテーマは「生物とはなにか?」ですが、 その主流には「生物にとってタンパク質とはなにか?」が綿々と語られています。 お恥ずかしながら栄養療法の患者となるまで、 タンパク質

 

副腎疲労があって、低血糖があったり、
エネルギー代謝が低下している人は
ATP不足です。

ATP不足だとタンパク質合成に
影響が出ます。

タンパク質の合成効率を
少しでも改善するため、
消化酵素を外から補給して
タンパク代謝の手助けをする、

それが、副腎疲労の改善の
王道メソッドでもあります。

 

私自身、治療において消化酵素を
取り始めたら、今まで動かなかった
データが改善しました。

今でも消化酵素は頓服的に
必要に応じて愛用しています。
治療中は消化酵素は毎食取ってました。

だからと言って、自前の消化酵素を
作る能力が落ちたか??と言えば、
そんなことはありませんでした。

 

一時的に食べものの消化を手助け
することで、かえって胃腸の働きが良くなり、
タンパク代謝が改善しました。

言ってみれば、大根おろしを
食べているのと似たような状態ですし、
特に気にする必要はないと思います。

「消化酵素を取り続けると、
自分の消化酵素が出なくならないですか?」

という質問をされる方は、
どうも消化液が内分泌的な
イメージをお持ちの方が多い様子。

 

内分泌とは、身体の中に
分泌されるホルモンです。

下垂体、甲状腺、副腎などから分泌される
甲状腺ホルモンや、女性ホルモン、
コルチゾールなどが内分泌です。

内分泌を、外から補うのは
リスクが大きいと思います。
必ず専門の医師の元、注意深く
やらないと、自前の内分泌機能に
影響が出るのは周知のとおり、

 

翻って、外分泌とは、
皮脂腺や、消化液、鼻汁など
身体の外に分泌されるものです。

胃や腸などの消化管は、
身体の中のようなイメージが
ありますが、実は「身体の外」です。

一本のちくわをイメージすると
分かりやすいです。

口から肛門まで、一本のちくわの
筒があると思ってください。

消化管の中は外側なので、消化酵素を
はじめとする消化液は外分泌なのです。

消化酵素を補うのは、例えば、、
同じ外分泌である、皮脂腺が
うまく皮脂を出してくれないので、
乳液やオイルで補佐するのに
似ているといえばわかりやすい
でしょうか。

乾燥する季節だけ、クリームや
乳液を補っても、さして身体には
害がないのと同じように考えて
もらえればよいかと。

もちろん、自分自身の肌の皮脂腺を
鍛える目的で、クリームや化粧水などを
一切つけずに、潤う力を取り戻す
(肌断食)というのもありますので、
外分泌といえども、外から補うことの
影響がゼロとは言えません。

ここでは、弱っているときは適宜補佐して
あげるほうが、本来の機能を回復しやすい、
そういったレベルのお話をしています。

 

というわけで、副腎疲労をケアする際、
消化酵素を使うことに嫌悪感を感じたり
極端な抵抗を感じる必要はなく、
一定期間、消化の補佐をして回復を
待ってあげたらよいと思います。

あ、当然ですが、膵臓の病気があったり、
消化管関連の既往症があったり、
そういった方はかかりつけの
お医者さまの指導を仰いでくださいね。

 

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