【酸化ストレスがあれば尿酸値が上昇する】尿酸値を下げるビタミンCの効果

尿酸は「抗酸化物質」

尿酸は痛風の原因ではありません。

尿酸はたいへん優れた抗酸化物質です。

人類は尿酸を作ることが出来たので、同じ抗酸化物質であるビタミンCを、自前で合成する能力を捨ててしまいました。

ですから、尿酸値が低い場合は「抗酸化力が落ちている」という判断をします。

尿酸の原料はタンパク質ですから、最初に疑うのは原料のタンパク質不足です。

もしくは、尿酸を合成するためには大量のATP(エネルギー)が必要とされるため、エネルギー低下、代謝不足、ミトコンドリア不活性も同時に疑います。

 

尿酸値は、最低でも4以上、理想的には4.5以上あれば健康値とみなします。

尿酸値が4.5以下だと抗酸化能力が低いと判断し、尿酸と同じ水溶性の抗酸化物質であるビタミンCの投与を考慮します。

これは分子栄養学の初歩の初歩ですね。

尿酸値が高いのは身体が酸化ストレスに晒されている

全体のデータのバランスから診て、不自然に尿酸値が健康値を示している場合があります。

総蛋白、アルブミン値、酵素活性、お食事内容の問診から推測して、4.0程度かと思いきや、5.0など、不自然に健康値である場合です。

お食事内容がタンパク質不足傾向で、アトピーなど皮膚疾患を抱えている女性に多いように感じます。

 

これは抗酸化力強いという解釈ではなく、「身体が抗酸化が必要な状況に追い込まれている」という可能性を考えます。

つまり、酸化ストレスに対抗して身体が尿酸を作って応戦しようとしているわけです。

 

 

例えば、ビリルビンやフェリチンの値を診て溶血がありそうな場合は、酸化ストレスが強いと判断されます。

赤血球は血液の中を流れる細胞です。

「赤血球が酸化ストレスにさらされているかどうか?」は、水溶性の抗酸化物質の代表である尿酸、ビタミンCの過不足を判断するのに役立つというわけです。

 

赤血球の細胞が寿命前に壊れてしまう「溶血」については、こちらでも書きましたのでご参考ください▼

【栄養療法】溶血(ようけつ)がある場合に必要な栄養素とその判断について | ビタミンアカデミー
栄養療法で言う「溶血がある」状態とは? 溶血性貧血とは、赤血球の寿命が短いために起こる貧血のことです。 通常120日程度と言われる赤血球が、なんらかの原因で10日ぐらいで壊されるので、赤血球量がどんどん減って貧血になる状態。 そこまでいったら病院行って専門医の治療が必要ですが、栄養療法でいう「溶血」は、いわゆる「未病」の状態の診ていて、特定の栄養素の過不足を見ていきます。 数値的にいうと、 ・間接

 

不自然に尿酸値が健康値であれば、酸化ストレスが強い状況と推測されるので、ビタミンCは摂っておいたほうが良いと判断されます。

尿酸値が低かろうと、そこそこ高くて健康値(4.5以上)だろうと、結局ビタミンCは必要と判断されるということです。

ビタミンCで尿酸値が下がる

実際のところ、ビタミンCを摂ることで尿酸値が下がることが分かっています。

1日あたり 500mg ~ 2,000mg のビタミンC摂取で、平均-0.35 の尿酸値の低下があったとするメタ解析です(2012年)

Effect of Oral Vitamin C Supplementation on Serum Uric Acid: A Meta-analysis of Randomized Controlled Trials

この調査では、尿酸値7.0以下の痛風ではない健康体の方が対象になってます。

尿酸が水溶性の抗酸化物質としてビタミンCと同じ働きをしていることを証明する結果だと思われます。

尿酸の代わりにビタミンCを入れてあげれば、身体は尿酸を作る必要がなくなるので、結果的に低下するわけですね。

 

尿酸値が基準値以上に高い、いわゆる「痛風予備軍」

アルコールを飲む中年男性に多いパターン。

これは同じように酸化ストレスが強くて、尿酸を作る能力はあるけど、排泄するのが下手な場合と解釈できます。

この場合もビタミンCが有効だろうと解釈できます。

まあ下がる余地は微々たるものかもしれませんが飲まないよりマシです。ということで、やはり毎日のビタミンCは推奨です。

 

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