飛行機内の放射線量
飛行機の搭乗時間が長いと、意外に細胞にダメージあるので事前に対策しましょうね。
飛行機に乗るということ、それは、じわっと放射線にさらされてるということ。
大気圏の保護作用がなくなるので、宇宙線由来の放射線が増えます。
国際原子力機関(IAEA)によると、一般的な商用旅客機の飛行中における放射線量は、地上で受ける年間の放射線量(約3ミリシーベルト)に相当するそうです。もちろんこの量は移動距離や、季節によって変わります。
目安ですが、例えば東京NY間を往復すると、胸部レントゲン5~7枚分のエックス線を浴びることになります。
※胸部レントゲンは20μSv(マイクロシーベルト)、東京NY間で浴びるエックス線100~150μSv(マイクロシーベルト)
ちなみに、飛行中の放射線量はこちらのサイトで推測可能、総量は計算しないといかんけど。
放射線が細胞に与えるストレス
放射線が細胞に与える影響には2種類あります。
一つは遺伝子を傷つけたり改変したりする直接的な作用と、もう一つは、放射線が身体の水分やもろもろの成分と反応してフリーラジカル(活性酸素)を発生させる間接的な作用。
”遺伝子の損傷”という直接的な作用は、旅行で搭乗する程度なら気にしなくてよいと思います。海外旅行の多い人ほどガンになるとか聞いたことありませんし、きちんと睡眠をとることで身体はある程度修復作業をしてくれますから。
個人的にケアしたほうが良いと思うのは、2つ目のフリーラジカルによる酸化ストレスです。
放射線はヒドロキシラジカルを発生させます。
活性酸素には主に4種類ありますが、ヒドロキシラジカルは毒性が最も強い活性酸素です。ヒドロキシラジカルは、身体のタンパク質、脂質、DNAなどを簡単に酸化させて、がん細胞の発生や老化に直接関与します。
ヒドロキシラジカルによって酸化された細胞膜やたんぱく質は、それがまた活性酸素化するという特徴がありますから、連鎖的な二次被害、三次被害を封じ込むために、発生したその場で始末しなければなりません。
つまり、体内に抗酸化物質が用意されていことがポイント。ヒドロキシラジカルは寿命が短いから、後付けで入れても間に合わんのです。
普段の食事やサプリメントで、抗酸化物質で身体を常に満たしておくことが、ヒドロキシラジカル対策。
また、ラットの実験ですが、放射線被ばく後、3日間は酸化ストレスが上昇するのが確認されています。
放射線による酸化ストレスを緩和するために、SOD酵素や、グルタチオンペルオキシダーゼやカタラーゼなどが産生されます。たんぱく質代謝が重要になることは言わずもがな。
余談ですが「海外旅行の機内サービスでサーブされるアルコールはすぐまわる(酔いやすい)」 あれは、宇宙線の酸化ストレスで肝臓の解毒能が消耗しているのでは?という分子栄養学的推測をしております。誰か調べてくれないかな、イグノーベル賞くらいは狙えると思うんだけど。
見逃せない機内の空気汚染
もう1点、見逃せないのは機内の空気中の汚染物質。
飛行機は、エンジンを通過した外部の空気を吸い込んで、機内に供給する仕組みを採用しており、機内の空気が汚染されているという指摘が以前からありました。
現在は、機内の空気を浄化するためのフィルターを設置、微小な粒子や有害物質は除去していることが多いらしいですが、いずれにせよ新鮮な空気でありません。機内の微妙な不快感に、空気汚染は関係しているだろうなと思ってます。
Dr.ベン・リンチも「機内の空気は汚染されているから、解毒用サプリを搭乗前に飲んでおいてね!」とコマーシャルしてますしね。
飛行機移動でグッタリなるという方は、「酸化ストレス+解毒」で体力消耗してる可能性を疑ってもよいかも。
※狭い機内で座りっぱなしという肉体的精神的疲労はここでは横においておきます。あくまで分子栄養学的なお話。
機内の活性酸素対策
わたしの長時間フライト対策は、基本のビタミンC、ビタミンE、これにCoQ10を加えてます。
搭乗前と後、両方対策できればベスト。もし忘れた場合でも、飛行機移動日の夜にサプリで対策するだけでも、翌日の身体が楽です。
普段はアスコルビン酸ですが、ここぞという場合は効き目倍増のリポソマル型。
国際線でアルコール入れるのが前提なら、グルタチオン、システインなどを足すのも一考。でも基本はやはりビタミンCですね。
抗酸化物質はお互いに連携しあって働きます。ビタミンC、ビタミンE、アルファリポ酸、CoQ10、グルタチオン、このうち一つを補強するだけでも、抗酸化能は補強されます。どうぞお見知りおきを。
参考文献
- 『放射線照射後のラットにおける酸化ストレス値の経時変化』山形大学
- 『放射線によって生じるヒドロキシルラジカルの定量測定と分子レベル生成ジオメトリーの評価』 千葉大学大学院融合科学研究科 小川幸大