ビタミンB2の細胞老化抑制作用
細胞の老化を抑制するには、ビタミンBの濃度を適度に上げておくほうがよさそうです。
ビタミンBがいかに細胞の老化抑制に働くか?新しい機序解明の報告が、つい最近神戸大の研究グループから出ていたので記録です。
SLC52A1(ビタミンB2とトランスポーター)が細胞内にリボフラビンを取り込むことで抑制に寄与する
Riboflavin transporter SLC52A1, a target of p53, suppresses cellular senescence by activating mitochondrial complex II
(日本語プレスリリース)ビタミンB2の新たな機能―老化の原因となるミトコンドリア機能低下を改善するメカニズム解明
簡単に内容メモ
- 細胞に老化を誘導する刺激を与える(薬剤でDNAを傷つける)
- 「SLC52A1」というビタミンB2を細胞内に取り込むタンパク質の玄関が細胞膜に増加。
- 細胞内により多くのビタミンB2が取り込まれる。
- 細胞内に増えたビタミンB2は、FADに変換され、ミトコンドリアのエネルギー産生に使われる。
細胞が老化の危機を感じると、細胞内のビタミンB2濃度を高めて、ミトコンドリアでエネルギー産生をアップさせる。結果、細胞の老化にリカバリーがかかる。
ミトコンドリアの機能を薬剤で低下させると、「細胞分裂の停止せよ」と命令を出す酵素(AMPK)の活性が上がるそうで、「ミトコンドリア機能の活性=細胞の抗老化」であることを確認。
常に適度なビタミンB2濃度を保つことが重要
老化のトリガー、例えば酸化ストレスや有害汚染物質によるDNA損傷などが、身体のどこでいつ発生するかは予測困難。
需要が高まった際に、細胞がいつでもビタミンB2を入手できるよう、ビタミンB2濃度を常時適度に保っておくことが重要だと思った。
ビタミンB2は水溶性なので、おそらく血中濃度は安定していないだろうから、都度都度の食事を大事にすること、ビタミンB2を消耗する質の悪い脂質の大量摂取を避けること、場合によってはサプリメントで補充、などを意識。
もちろん、ミトコンドリア機能を動かすに必要なビタミンB2以外の栄養素(鉄、マグネシウム、CoQ10、ナイアシン)の欠員が出てないことも前提のうえでね。
ビタミンB2は脂質代謝に重要と覚えてください。基礎知識はこちらで。(参考記事)
それから、ビタミンB2を活性型(ミトコンドリアが使える形)にするには甲状腺ホルモンが重要てのもお忘れなく(参考記事)