”許し”という感情
前回の分子栄養学実践講座の懇親会にて、ある方から言われましたことをシェア。
先生、聞いてください!
私、先生の講義中にひらめいたんです!
どうしました?
”許す”って、毒親を”許す”のではなく、毒親を持った自分を”許す”のですね!
腑に落ちた瞬間、7秒くらい息が止まりました!
それです。それ。嬉しいなあ。
その時の受講生さんの晴れやかな表情、今でも鮮明に覚えています。
毒親を”許す”のではなく、毒親を持った自分を”許す”
分子栄養学実践講座 受講生
なかなかの名言だなぁ。
実はこの年末、私自身がこの”許し”を経験しました。
”後悔”という感情の取説を探していた自分
4年前に実姉が他界しました。
その時のことを思い出すとどうしても”後悔”の感情が湧いてきます。
年月を経ると薄れるものかと思いきや、その”感情”はより輪郭がはっきりしてきて、濃さを増してきたように感じていました。
「この感情には何の目的があるのだろう?」
「私は何のためにこの感情を抱いているのか?」
実姉への愛や想いとはまた離れた部分で、自分の中の一部分に巣くう”後悔”という感情の取説を探していました。
先日、傾聴講義の最終日に、実践として「傾聴してもらう」時間がありました。
運よく岩松先生とマンツー講義、私はこの”後悔”していることをひたすらしゃべり続け、傾聴してもらいました。
傾聴のプロ中のプロに気持ちよーく話を聴いてもらい、満たされた気持ちで3日間の講義はフィナーレを迎えました。
そのときの様子はこちらの記事に。
でね。
その5日後くらいかな。
朝起きたら、ふと突然、降ってきたんです。
「後悔?別にいいじゃね?」
「”後悔”も”喜び”も”嬉しさ”も全部同じじゃーん」てね。
姉と一緒に遊んだ日、楽しく笑っている自分。
姉に誕生日プレゼントをもらった日、嬉しくて喜んでる自分。
姉の葬儀の日、悲しくてやりきれなくて泣いている自分。
姉のことを想う日、後悔の念にさいなまれている自分。
思い出の一つ一つが雨粒みたいにキラキラと降ってきて、”後悔”もその中の一粒に過ぎず、そこだけが濁っているとか、黒ずんでいるとか、全くそんなことはなかった。
全部の雨粒が一つの器に入って、ちゃぷんと小さく波打つ綺麗なお水になり、どの部分が”後悔”だか分からなくなりました。
なんだか不思議な感触でした。
そしてふと気が付いたら”後悔”という感情に取説を探していた自分が、まるで他人のように感じました。
「ああ、これか」
なんとなく、ふわっと降りてきた”その感覚”
あえて表現するなら、その瞬間「私は、”後悔”という感情をもった私を許した」ということでしょうか。
腑に落ちるとか、気付きとか、表現はいろいろありますが、まあそんな類の一種かもしれません。
「思考」でたどり着ける感覚ではないので、”思考のツール”である文章で表現するには限界を感じますが、ここまで読んでくれてる読者の中に「わーかーるー」と叫んでいる人が、たぶん10人に一人くらいいるだろうなぁと信じてます。
ちなみに、この一件を通して私が「後悔」をしなくなったわけじゃないです。
「後悔」という感情も、他の「嬉しい」「悲しい」といった感情と同等だと腑落ちしたら、何の抵抗もなく後悔に浸れるようになりましたから、むしろ”後悔”をする時間が増えるのかもしれません。それはこれからのことなので分かりません。
”許し”とは、許可、Permitではありません。Allowでも、Acceptでもないと思う。しいて言えば、”Gratitude(感謝)”が近い気がします。
私がいつもこのブログでお伝えしている「エネルギーのbreak-even point(損益分岐点)」がそこにあります。
何かを排除しようとしたり、避けようとしたり、どうにかこうにかやり方をあぐねているうちは、収支はマイナスなんです。
本題とは少し逸れますが、改めて”話す”という行為は、感情を整えるのにいかに効果が大きいかをわが身を持って実感しました。
自分一人だと、ここまで来れる気がしません。てか実際来れなかったし。
「受け入れようとしても受け入れられない」そんな感覚があらゆるエネルギーを消耗させてしまう。高度に知能を進化させてしまったゆえの弊害といいますか、それもまた”人間らしさ”の一面です。
そんな”人”に変化をもたらすのは、肯定をするわけでもなく、否定するわけでもなく、ただひたすら感情を寄せてくれる別の”人”の存在です。
そして”話す”という行為が、脳における変化を加速させます。
セッションやカウンセリングが”効果”を出せる理由の一つですね。
おっと、最後はステマのようになりましたが、人と人が作りだす共同体感覚を、短い時間で提供できるこの仕事に喜びと誇りを感じておりますので悪しからず。
今日は私が経験した”許し”という感覚・感情を文字起こししてみました。
みなさまのご参考になれば幸いです。