人生の目的を持つこと
病気、症状を消すことが目的になっていると、栄養療法は暗礁に乗り上げてしまいます。
というお話を先日書きました(参考記事↓)
本件、イイ感じのエビデンスを見つけたのでメモです。
「認知症」と「人生の目的」との関連について、米国シカゴのラッシュ医科大学の研究。
人生の目的のレベルが高い人は、そうでない人と比較して約2.5倍以上アルツハイマー型認知症になりにくい。
Effect of Purpose in Life on the Relation Between Alzheimer Disease Pathologic Changes on Cognitive Function in Advanced Age.,Arch Gen Psychiatry. 2012 May; 69(5): 499–505.
プロジェクトに参加したのは1,400名、毎年脳の検診を受けてもらう。認知機能のチェックと同時にどのような「人生の目的」を持っているかを聞いて、それをスコアリング。
参加者の死亡時の平均年齢は88.2歳。同意を得られた246人の脳を解剖。
アミロイドたんぱくの状態やプラークを染色して調査した。
その結果、よりレベルの高い人生の目的を持つ人は脳細胞が破壊されにくいということが分かった。
アルツハイマー型認知症になりにくいだけではない。
レベルの高い人生の目的がある人は、
- うつ病になりにくい
- 身体機能がより良く保たれる
- (脳機能以外の)病気になりにくい
- 寿命そのものが長くなる
といった結果が有意だったそう。
「人生の目的」とは?
ここ言うで「人生の目的」とは?
”Purpose in life refers to the tendency to derive meaning from life’s experiences and possess a sense of intentionality and goal directedness that guides behavior.” 日本語訳「人生の目的とは、経験から意味を引き出し、行動を導く志向性と目標を持っていること。」
この一文を読んだとき、「これよ、これ!」と大きく頷いた。
自分の生い立ち、病気、親、仕事、etc.
病気、症状で苦しむ人は全員と言っていいほど、それらを”悪いもの”扱いしている。
あっさり治って卒業していく人と、そうでない人の違いは、それらの経験からいかに「自分の”目的”を見いだすか?」だ。
自分が感じてきたことが、はっきりと論文になっているのを見てやや興奮。
「ラッシュ医科大学のボイル博士に会いたい」
この論文を書いた博士が気になって調べた。
シカゴのラッシュ医科大学のボイル博士、Youtubeにプレゼン動画を発見。
ますます惚れ込んでしまった!!
「心理学的な要因、例えば”人生の目的を持つこと”それがどのように身体に影響を及ぼすのか?今から私がサイエンスとしてお話をします。」
きゃーーーー!ボイル博士ーーー!(灬♥ω♥灬)
上記は一般向け、
こちらは医学のコンフェレンスでの発表でもっと専門的。
栄養療法の結果を出す人、出さない人の違いは何?
心理面が脳にどう作用し、それがどう身体の代謝に反映されるのか?
これからも私はここを突き詰めていきます。
今日のポイント
人生の目的がある人は、そうでない人と比較して約2.5倍以上アルツハイマー型認知症になりにくい