二日酔いがなぜツライのか?
お酒なんて二度と飲みません。
久しぶりにやってしまいました。
仲間内の忘年会が楽しすぎた。
完全に二日酔い。ストッパーきかずに飲んだのは久しぶり。
二次会までの移動中と、帰宅の道中、どうやらインスタライブやってたみたいですね。
私はほとんど記憶ありません。orz
ここで自分の体内で何が起きていたのか?
「アセトアルデヒド(毒素)のせいだ!」という”普通の”栄養学的な解説ではなく、”分子栄養学な”解説を試みたいと思います。
アルコールの代謝はナイアシン(NAD⁺)を消費する
飲酒時、肝臓の細胞内では、アルコールが「アルコール脱水素酵素」により、アセトアルデヒドに変換されます。
アセトアルデヒドはミトコンドリアへ輸送され、「アセトアルデヒド脱水素酵素」により酢酸に変換されます。
このアルコールの代謝にまつわる2つの酵素は、ナイアシンから作られる「NAD」を補酵素として使います。
もう少し詳しく言うと「酸化型のNAD⁺が還元型のNADHに変わる」ということ。
つまり、飲酒をするということは、NAD⁺が減り続け、NADHが増え続けるのです。
これが問題を起こします。
細胞のエネルギー代謝には、NAD⁺とNADH、この2つのバランスが重要だからです。
ミトコンドリアでATPを作るのに、電子を運ぶ役割があるのはNAD⁺です。
エネルギー代謝が良い細胞は、NAD⁺が多くNADHが少ない。
NADが多い細胞は若い、NADが少ない細胞は老化していると覚えてオッケー
NAD⁺の低下で起こること
飲酒をするとNAD⁺が消費されて、エネルギー代謝が低下します。
エネルギー代謝の低下とは、具体的には①低血糖症、②乳酸の蓄積、③脂肪肝です。
①低NAD⁺による低血糖症
NAD⁺が減ると、リンゴ酸からオキサロ酢酸への変換が滞り、且つオキサロ酢酸からリンゴ酸への還元が強くなります。
オキサロ酢酸は糖新生の材料です。
糖新生が減ると低血糖が起こりやすくなります。
TCA回路自体も一部渋滞発生で回りません。
※NAD⁺の低下で起こること ・オキサロ酢酸の低下する ⇒糖新生が低下する ⇒低血糖が起こる ・クエン酸回路が滞る ⇒エネルギー代謝の低下
②低NAD⁺による高乳酸状態
NAD⁺の低下&NADHの増加で、乳酸脱水素酵素は乳酸側への代謝が促進します。
乳酸からピルビン酸への変換は進まず、身体に乳酸が溜まります。
酒飲みが酸っぱいニオイがするのは、血液中に乳酸が溜まるからかもしれません。
※低NAD⁺で起こること ・乳酸が増える ⇒エネルギー代謝が低下する ⇒疲労感が増す
③低NAD⁺による脂肪肝
NAD⁺の低下で、脂肪酸がエネルギーに変わるときの反応(β酸化)が阻害されます。
β酸化のキモとなる「ヒドロキシアシルCOA脱水素酵素」がNAD⁺を補酵素とする酵素なので。
β酸化は初心者には小難しいので、「NAD⁺不足で脂肪のエネルギー変換は滞る」と覚えればオッケー。
脂肪酸のエネルギーへの変換が滞れば、余った脂肪が細胞内にとどまります。
アルコール代謝により肝臓の細胞内ではNAD⁺が増えるので、脂肪がエネルギーに変換できずに居座り続け、これが脂肪肝になるのです。
脂肪肝になると、低血糖症が起こりやすくなる件は、当ブログ読者は耳タコだと思うので省略します。
※低NAD⁺で起こること ・脂肪酸のβ酸化が阻害される ⇒エネルギー代謝の低下 ・脂肪酸がエネルギーに変換できない ⇒脂肪肝 ・脂肪肝になると ⇒低血糖症になる
アルコール代謝でエネルギー代謝は低下する
初心者には少し難しかったかもしれません。
重要なことは、アルコール代謝によりNAD⁺が浪費されて、エネルギー代謝は低下するということ。
エネルギー代謝が低下すると、どんな症状が出るか?
「身体がシンドイ!」
この一言に尽きます。
二日酔いはシンドイ。
でも飲むけどな。
以上おわり。
今日のまとめ
アルコール代謝によりNAD⁺が浪費されることにより起こることは①低血糖、②高乳酸、③脂肪肝