食物繊維が少ないと腸内細菌が腸粘膜を食べてしまうらしい

食物繊維が少ない食事が腸粘膜を薄くする

食物繊維を摂らないと、腸内細菌が腸粘膜を食べてしまうらしいです。Cell掲載、ミシガン大学医学部の発表(2016)

A Dietary Fiber-Deprived Gut Microbiota Degrades the Colonic Mucus Barrier and Enhances Pathogen Susceptibility

 

腸内細菌を持たない無菌マウスに人間の腸内細菌を移植、食物繊維を含む餌を与えた場合と、食物繊維を全く含まない餌でどのような変化が起こったか?を実験しています。

 

食物繊維を与えないマウスの腸内で起こったことは、

1、多糖類(食物繊維)を食べる腸内細菌の量が急速に激減
2、腸粘膜から分泌される粘液を分解する腸内細菌が急増
3、腸粘膜の粘液が分解されて、粘液による保護作用が低下する
4、病原菌が腸粘膜に結合しやすくなる
5、腸の上皮細胞が侵食され潰瘍・大腸炎が出来る

 

図解にするとこういう感じ↓
緑色は食物繊維を餌にする細菌、赤色が粘液を分解する酵素を持った細菌、黒色が病原菌です。

©A chronic lack of dietary fiber increases gut bacterial mucus foraging and susceptibility to enteric pathogens

 

食物繊維がなくなると、細菌に不均衡が出来て腸粘膜の粘液が侵食されていく仕組みがよく分かります。

 

食物繊維の量は餌の15%を繊維質にしたとのことで、人間に置き換えてもかなり現実的です。

繊維質を含まない餌を与えたマウスは、たった4日で細菌叢が顕著に変化したとのこと。

 

しかも、加工食品やサプリメントに含まれる合成の食物繊維(何を使用したかは不明)を与えても、この細菌叢に変化はなく、天然の食物繊維によってのみ細菌叢が復活したそうです

腸内細菌は’違いがわかる’みたい。けっこうグルメなんですねぇ。

 

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腸の上皮細胞は粘液によって保護されています。

今回は、その保護膜を侵食するのが自前の腸内細菌というのが衝撃の結果です。

食物繊維なしの餌を続ければ続けるほど、粘液を分解する酵素の発現にかかわる細菌の遺伝子が増えていくそうで、細菌自体も遺伝子レベルで変化していくようです。

 

なんで粘液を分解する細菌が存在するだろうか?という疑問も出てきますが、なんども書いているように腸の状態の良し悪しは、腸内細菌の多様性であります

腸内細菌の多様性が豊かだと、人間は健康ですが、多様性が少ないと弱体化します。

おそらく粘液を分解する細菌たちも、それなりのお役目を持っているから存在しているのでしょう。

 

お腹が弱い、SIBO、IBS、潰瘍、ポリープ、リーキーガット、そして大腸ガン。
腸の病気以外も、腸粘膜は免疫細胞の集まりなので、腸粘膜崩壊は抵抗力の低下、感染症にかかりやすくなります。

我々人類が、菌との共存を決めた時点から、食物繊維をせっせと送り込んで腸内細菌のご機嫌をとっておくことは必須だったはず。

食事から繊維質が急激に減ったこの時代に対応するのに、細菌もきっと必死なんじゃなかろうかと。

 

サプリメントの食物繊維では腸内細菌は喜ばないようなので、こればっかりは食事から自然に摂るべしです。

ゴボウ、こんにゃく、海藻、きのこ、豆類、芋など、お皿の半分は食物繊維リッチな食事を心がけたいところですね。

 

ちなみに個人的に大注目している食物繊維はレジスタントスターチです。
単なるポテトサラダと春雨サラダが大好きなだけですがw

こちらも参考にぜひどうぞ↓

メタボ解消にポテトサラダ?レジスタントスターチが腸を改善しダイエットに効果的
レジスタントスターチがメタボ解消に効く! レジスタントスターチ摂取で腸内細菌叢が改善し、メタボが改善したという論文です。(South Dakota State University, 2016年) Impact of dietary resistant starch type 4 on human gut microbiota and immunometabolic functions メタボ気味の20名を集めて、24週間の実験をしたところ、レジスタントスターチを摂ったグループは、プラシーボのグループに比較して、 ・炎症マーカ(インターロイキンやTNFαなどの炎症サイトカイン)が減った! ・血糖値が下がった、グリコヘモグロビンが低下した! ・高コレステロールが改善した! ・腹回りの内臓脂肪が取れた! ・腸内細菌(善玉菌)が増えた! ・腸管内の酪酸を含む短鎖脂肪酸が増えた! かなり広範囲を調べあげ、ほとんどの値が改善!というテンションの高めの報告。 レジスタントスターチって糖質ですから。 「糖質でメタボ解消」という、一見逆説的な結果なので、そりゃテンション上がりますよね。 レジスタントスターチが腸内細菌叢を改善し、炎症が取り除かれ、しかも血糖値を上げにくいので、結果的に肥満解消につながったという結論です。 レジスタントスターチとは? レジスタントスターチとは、日本語で「難消化性デンプン」 消化酵素の影響を受けずに、大腸まで到達するため、血糖値を上げにくいという特徴があります。 大腸まで到達したレジスタントスターチは、腸内細菌の餌になるので、整腸作用あり。 特に注目なのは、酪酸菌(らくさんきん)の餌になること。 酪酸菌は、腸粘膜のPHを弱酸性に整え、腸粘膜の代謝を促し、抗炎症効果を発揮します。 リーキーガット治療には欠かせない腸内細菌です。 酪酸が抗炎症に効果的なのはよく知られた事実。 ・Anti-inflammatory effects of sodium butyrate on human monocytes: potent inhibition of IL-12 and up-regulation of IL-10 production 腸内細菌の餌といえば食物繊維ですが、胃腸が弱め、もしくは炎症があると、食物繊維の多すぎる食事はやや負担になります。

 

 

 

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