糖質制限やってはいけない人
この3日間、立て続けにそっくりなケースを
カウンセリングしておりました。
不眠、めまい、立ちくらみ、焦燥感、
手汗、寝汗、不安感、なにもヤル気にならない、etc.
それぞれお悩みの症状はそれぞれ違っていても
原因はほぼ一緒。
4名の共通点は
食事から炭水化物をゼロにするなど
糖質をかなり制限しており、
かえって糖代謝が悪くなっている点でした。
糖質制限を行うには、
まず糖がなくても血糖値を
「自然に」維持できる身体
である必要があります。
お食事から得られた糖による血糖値は
食後3時間程度しか持ちません。
でもその後も血糖値が維持されるのは
肝臓からグリコーゲンが切り出され、
(運動時は筋肉のグリコーゲン)
次に肝臓で糖新生が行われ、
ついにそれもなくなってくると
ケトン体(脂肪酸がエネルギーになる)が
やはり肝臓で作られます。
肝臓がエネルギー代謝のかなめであります。
健康な人の血糖曲線のその仕組み↓
そして、このとき
「肝臓のグリコーゲンを使ってください」
と命令を出しているのがコルチゾールという
副腎で作られるホルモンです。
副腎疲労とは、副腎の機能低下により
コルチゾールがうまく作られない状態です。
「肝グリコーゲンを切り出せ」
「糖新生をやってください」
という命令が副腎疲労だと伝わりません。
また、脂肪肝があるひとは、
肝臓にグリコーゲンを貯金することが
下手クソです。
詳しくはこちらの
『肝臓の炎症がなぜ良くないか?』
の章を読んでください(↓)
よって、副腎疲労がある、
もしくは脂肪肝などの影響で
肝臓の機能が低下している
といった方は、血糖値を自然に維持できません。
お食事から摂取された糖が、
徐々に無くなってくるのは
食後2、3時間後からです。
その頃に頭がボーっとしたり
コーヒーが欲しくなったり
甘いものが欲しくなったり。
ところが、実際の血糖値を計測すると
意外に維持出来ちゃってたりする。
これはカテコラミンと言われる
ノルアドレナリン、アドレナリン
といったホルモンや、
グルカゴンというホルモンが
なんとしても血糖値を維持しようと
踏ん張っている証拠でもあります。
この時、心拍の上昇、
手汗、胃腸の動きが止まる、
交感神経が過剰に優位になって
代償的に副交感神経が強くなり
ぐったり動けなくなったり、などなど
自律神経周りの不調が出ます。
だから「糖を食べろ」ではないのですよ。
短絡的に考えてはダメ、
糖の入れ方を工夫しなければいけないのです。
どんな糖がよいのか?
どういった食べ方をするのか?
これは個々の状況、
身体の状態によって違ってきます。
カウンセリングで指導するのはその部分。
そもそも、なぜ三大栄養素というのか?
それは糖質、脂質、タンパク質の3つが
エネルギー源になるからです。
ビタミンとミネラルは
直接エネルギーにはなりません。
エネルギーが得られることが
生命体として存続するために
一番重要であり、だから三大栄養素なのです。
糖質制限して成功するのは、
脂質とタンパク質を
エネルギーに変換するのが上手な人
という言い方も出来ます。
そして糖の摂取を工夫して、
血糖値が安定させて、それから
なぜエネルギー代謝に問題があるのか、
その根本原因にアプローチしていくのです。
「糖質制限やってはいけない人」
これは、もう何度も書いたつもりですし、
宮澤先生の勉強会でも
てっぱんのテーマなのですが、
失敗してしまう方がけっこう多い。
続けて発信することの重要性が必要ですね
認識をあらたに書いてみました。
今日は以上です。