ヘルシー飲料を採点してみました
ある分野に詳しくなりすぎると
一般の人が何を疑問に思っているのか
分からなくなるので困ったもの。
そんなところに、知人が
「この飲み物どう思います?」
と投稿していたので
「なるほど、一般の方は
こういった情報をご存じないのね」
と思ったのでアンサー記事書きます。
健康的をアピールする清涼飲料水を
採点してみます。
検体はこの2品目
左のプロテイン飲料
原材料を見てみます。
まず基礎知識として覚えておきたいのが、
添加物の表記法
この場合「/(スラッシュ)」以降が非食品、
つまり添加物です。
原材料名:乳製品、乳タンパク質/香料、甘味料(アセスルファムK、スクラロース)、ビタミンE、ビタミンB6、着色料(βカロテン)
と表記してありますので、
乳製品、乳タンパク質が食品扱い。
/以降の香料、甘味料(アセスルファムK、
スクラロース)、ビタミンE、ビタミンB6、
着色料(βカロテン)が添加物ということ。
ダメポイントはなんといっても
アセスルファムK、スクラロースという
2大人工甘味料の盛り合わせである点。
人工甘味料は腸内細菌叢を変化させて
耐糖能力を低下させることが分かって
おります。
Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota
耐糖能を低下ということは、
糖尿病になりやすくなるのです。
インスリン抵抗性を上げるので
摂った糖をエネルギーに変えられなく
なります。つまりデブへの近道。
なぜ人工甘味料が使われるのか?
とにかく健康飲料に使われる
人工甘味料の率たるやほぼ100%
たまーに、良心的な商品は糖アルコール
でなんとか頑張っている商品もあります。
そもそもなぜ人工甘味料なのか?
それはカロリーがほぼゼロという
いかにもヘルシーを強調するには
好都合と言った背景もありますが、
実はもっとメーカ側に
好都合な理由がありまして、
それは人工甘味料のほうが
圧倒的に安いのです。
砂糖は1㎏あたり185円です。
この砂糖1kgと同じ甘さを
実現するのに必要な人工甘味料は、
アスパルテーム 35円
スクラロース 25円
アセスルファムK 20円
いかに安いかお分かりいただけるかと。
見やすくグラフにしました。
腸内細菌叢への変化なので、
影響は長期的ですが、
飲んだら分かると思うのですが、
人工甘味料は超甘いので、
脳は「甘い」と感じるくせに
実際の血糖値は上昇しませんから
逆に反応性低血糖が起こりそうな
気がします。
私が時々使っているアミノバイタルにも
人工甘味料は使われていますが、
選択肢がないので妥協しており、
最近は飲みにくくても、
人工甘味料不使用のMUSASIを
使うことが多いです。
糖類と糖質の違い
次は右の商品です。
原材料は特に問題がありませんので
栄養成分表示を確認してみます。
炭水化物 34.5g
糖質 31.1g
糖類 27.8g
食物繊維 3.4g
糖質とは、炭水化物から食物繊維を
抜いたものです。
つまり「炭水化物=糖質+食物繊維」
糖類とは、糖質の中でも単糖類と
二糖類のことを言います。
でんぷんのような、多糖類を除く
ということ。
ややこしいですね。。
最近この手の商品が増えてます。
糖質ゼロと糖類ゼロは違うのでご注意を。
糖の種類には、エネルギー源として
優秀な糖と、そうでない糖があります。
単糖類、二糖類は、多糖類に比べて
血糖値を急上昇させるので
「悪い糖」だと思ってください。
多糖類のでんぷん(例、お米)は
比較的エネルギー源としては優秀です。
そういう意味で、野菜果物ジュースは
たとえ甘味料が添加されていなくても、
砂糖添加と同じような作用があります。
つまりこの商品もデブへの近道。
あと個人的には葉酸の表記も気になるなあ
これ商品出荷時点での計測であり、
実際に市場に出回っている商品には
葉酸はほとんど含まれていないかと。
だって、葉酸はものすごく不安定で、
もしこの分量の葉酸を安定させるなら
人工葉酸じゃないかなあと思うのですが。
結論
両方の商品、それぞれデメリットが
メリットを上回ることとなり、
私ならどっちも買いません。
買うなら天然水仕立ての水か麦茶。
もし、飲料水が他になくて、
どうしても喉の渇きをいやしたい、
そういった緊急事態な場面だったら
右の野菜果物ジュースにします。
ヘルシーを謳う商品も玉石混交で
どちらかというと「石」のほうが
多いです。
我が読者におかれましては、
どうぞ賢い目利きになって
このヘルシー商品戦国時代の
勝者たらんことを願います。