壊血病とビタミンC
歴史に残る栄養逸話はいくつかあって、日本で一番有名なのは、「ビタミンB1と脚気」のストーリーですね(↓)
もう一つ有名なのが「ビタミンCと壊血病」で、これは16世紀の大航海時代に、航海中に船員たちがバタバタ倒れてなぞの病気扱いされた件。
身体中の血管が破れて出血するのでその病気は「壊血病」と命名。
意識混沌とし最後は死に至るという恐怖の病でしたが、後年実はビタミンC不足と判明しました。
長期航海には、生鮮食品を乗せられないので食べる量が不足して船員さんたちみんなビタミンC不足を起こしてたわけですね。
ということで、この逸話はビタミンCが不足すると、血管が破けて身体中から出血するよという、ある意味歴史が証明した人体実験でもあります。
漫画「ワンピース」にも登場するらしい。
出典:w-esc.seesaa.net
なぜビタミンCが不足すると出血するのか?
そもそも、なぜビタミンCが不足すると、血管が破れて出血するのでしょうか?
ポイントはコラーゲンです。
コラーゲンは、細胞と細胞をつなげる役割をしています。
血管の細胞ひとつひとつの隙間をコラーゲンがガッチリつないでくれているから、血管は血液の圧力(血圧)にも耐えられるのです。
コラーゲンがしっかりしていると、血管の細胞はしっかりと結びつき、血圧にも耐えられる柔軟なホースとなります。
このコラーゲンを作るにはビタミンCが必須。
コラーゲンを構成するアミノ酸「プロリン」がヒドロキシ化して「ヒドロキシプロリン」になるときに、ビタミンCからOH基をもらい、その時に触媒として鉄を使うから。
もしも、ビタミンC不足でコラーゲンがボロボロになってくると、血管の細胞と細胞の隙間がスカッとしてきます。(ホントは鉄も必要なのですが今回はVCに集中して書きます)
するとどうなるか?
あらたいへん。血管から血液が漏れてきたー
というわけで、コラーゲンが弱いと、血管は破れやすくなります。
ぶつけた覚えのない青あざ
ちょっと机の角にこすったくらいで青あざ出来ちゃう人いませんか?
自覚があればまだマシで、青あざが出来てるのに気がつかない人もいます。
気がつかないような軽い衝撃でも皮下出血を起こすくらい、血管のコラーゲンが脆弱化しているということです。
あと、歯ぐきから血ってのもありますね。歯ブラシの刺激ですぐに毛細血管が破れてしまうひと。
ということは、ぶつけた覚えのない青あざをしょっちゅう作っているとか、リンゴをかじれば血が出るとか、
それは「現代版壊血病」と言えるのではないでしょうか。
ビタミンC、なんだかんだで一番手っ取り早く結果の出るビタミンです。