胃酸分泌の改善にナイアシンが効果があった2症例
国際オーソモレキュラー学会の
公式ジャーナルのアーカイブに
ナイアシンが胃酸分泌の低下に効果があった
という症例報告を見つけたので備忘録。
Niacin (Nicotinic Acid) a Putative Treatment for Hypochlorhydria: Re-analysis of Two Case Reports
ナイアシンが胃酸分泌を改善させる理由
ナイアシンが胃酸分泌を
改善させる理由は主に2つ。
1つは、ナイアシンが胃の細胞から
ヒスタミン放出を促すから。
胃酸の分泌に関係するのは以下3つ
アセチルコリン
ガストリン
ヒスタミン
アセチルコリンは、
「おいしいなあ」「いい匂いだなあ」
といった感覚の刺激によって放出
ガストリンは、食べ物が
胃に入るという物理的な刺激で放出。
アセチルコリンとガストリンが
胃の細胞を刺激してヒスタミンを放出。
これらがそれぞれの受容体に結合
することで、「プロトンポンプ」
に作用して胃酸が分泌される。
ナイアシンは胃の肥満細胞を刺激して
ヒスタミンを放出させるので
結果、胃酸の分泌が改善する。
2つ目の理由は、ナイアシンの投与で
NADH(活性型ナイアシン)の濃度が
上昇することにより、ATPが増産されて、
胃酸分泌も高まるのだろうとのこと。
(胃酸の分泌はATPを消耗するからね)
あとは、ナイアシンは酸性なので、
サプリメントが胃で溶ければ、
胃酸のプラスアルファにもなり得る。
逆に言えば、胃の弱い人は
ナイアシンを摂取することで、
胃痛を感じる可能性もあり。
その場合は、PHの高いタイプ
「ナイアシンアミド」を利用
するのが良いでしょうとのこと。
「ナイアシンが胃酸分泌を強化する」
「ナイアシンが
胃酸分泌を強化する」と
ある講義で聞いたことが
あったのですが、情報の
出どころが不明でした。
分かってすっきり。
コレステロール低下を目的に
ナイアシンを使う際に、同時に
胃酸分泌改善もバックアップ
できる可能性があるってこと。
スタチン+PPIといったような
シミをコンシーラーの上塗りで
隠すようなやり方を最初から
選ぶより賢明。
副次的な効果どころか、
三次的、四次的な効果も
連動して期待できるのが、
栄養を使ってコントロール
することのメリットですね。