「腸をダメにする習慣、鍛える習慣」藤田紘一郎著
自身の腸で回虫を飼って名前までつけてる、藤田教授の本。
腸がなぜ大切なの??ってレベルの人でも気楽に読める簡単でわかりやすい本です。
一般向けに書かれた本なので、もっと掘り下げたい部分が、サラッと書かれてあるので、私にとってはちょい消化不良。
各種栄養(ビタミン、葉酸、ナイアシンなど)を腸内細菌が合成することとか、セロトニンと腸の関係とか。
藤田博士の講演を聞きたくて、依頼メールを出してみたことがあります。
そしたら返事が来て、法人の申し込み以外は受け付けてくれないそうです。(そりゃそーだよな。)
1時間半の講演で30万円とのこと。
藤田先生のネームバリューなら集客も問題ないでしょう、どこかの会社か誰か企画してくれないかなあ。
とにかく講演が面白いんですよ、この先生。
腸内細菌の栄養は食物繊維、腸の栄養はグルタミンと短鎖脂肪酸
実家に帰ると実感します
日本食がいかに腸に良いかということを。
母のお手製の朝食は、白和えにおからコロッケ、自家製のお漬物、具沢山の味噌汁、胚芽米。
発酵食品と豊富な食物繊維
いかにも腸内細菌の好物ばかり
朝ごはん一食分でこの繊維質の多さ、昔の日本人にはほとんど大腸がんがいなかったというのも納得です。
お味噌汁+漬物+納豆の朝ごはんと、コーヒー+パン+ジャムの朝ごはん
腸が喜ぶのは圧倒的に前者ですが、今の日本では後者タイプが優勢でしょう。
腸内細菌の栄養が食物繊維、では腸という臓器の栄養はというと、
・小腸のエネルギー源がグルタミンというアミノ酸(たんぱく質)、
・大腸のエネルギー源が腸内細菌が作り出す短鎖脂肪酸です
つまり腸は炭水化物(糖質)をエネルギー源としていません。
ですので、糖質(炭水化物)ばかり食べると、腸は自分の栄養源は全く入ってこないのに、糖質の消化吸収のために働かなければならず、タダ働き。
パンケーキ+コーヒーなんて洒落てて素敵なんですが、腸にとってはブラック企業ということですね。
藤田教授曰く、腸内細菌を弱める食事がレトルト、スナック菓子、ファーストフード、腸を弱める食事が糖質とのこと。
大腸の栄養源である「短鎖脂肪酸」ですが、短鎖脂肪酸の中でもっとも重要になるのが、大腸上皮細胞のエネルギー源となる酪酸、その酪酸を出すのが宮入菌(酪酸菌)のミヤリサンです。
これ効くの?と聞かれますが、単なる腸の栄養ですから効果を問うサプリメントという意識はないです。
ごはんとお味噌汁に薬効求めないと同様、腸に栄養あげてるだけ。
腸内細菌が定着するのは幼少期までです。
残念ながら、大人になってからは腸内細菌は定住しません。
およそ4日で死滅しますので継続することが必要です。
ちなみに、肥りやすい人、鬱の人の腸内を調べると、短鎖脂肪酸が有意に少ないそうです。
腸内細菌の様相で体質や精神状態も左右されることは、最近わかってきたこと。
肥満や精神疾患の治療法として「便移植」が一般的になる日も近いかもしれませんね。
※小腸の栄養源「グルタミン」に関しては別途まとめます。