メラトニンの作用(睡眠・抗酸化・抗がん・過食)
メラトニンに関する195件の調査
(うち84件はヒト対象実験)を
まとめたレビュー論文のメモ
Melatonin and health: an umbrella review of health outcomes and biological mechanisms of action.
メラトニンの作用は、
- 深部体温を下げ、血圧を下げ、副交感神経を優位に保ち、熟睡を促す
- 加齢に伴うメラトニン分泌量の低下による、睡眠時間の短時間化を予防する
- 抗酸化物質(ビタミンEの2倍、グルタチオンの5倍)
- 抗がん作用(乳がん、子宮頸がん、前立腺がん、肺がん)
- 過食を抑える
メラトニンは睡眠のホルモン
という点は広く知られている
ところですが
メラトニンそのものに
抗酸化作用があったり、
抗がん作用もあります。
睡眠改善に使う場合は
3㎎~6㎎ですが、
抗がんに使うのは
50㎎以上だそうで、
そのレベルになると
医師の指導が必要。
セロトニンは血液脳関門(BBB)を
通過しないので、原料となる
トリプトファンを入れて
脳内で作ってもらうしかないが、
メラトニンは血液脳関門を
通過できる分子サイズであり、
直接経口摂取でもそこそこ効く
(つまり脳まで届いてる)
という結果が出てる。
認知症の不眠にメラトニンが有効
メラトニンにはアルツハイマー病の
アミロイドβの沈着を防ぐ効果もある。
認知症患者の不眠にも
メラトニンが有効だった
というレポートもある。
メラトニンサプリの注意点
メラトニンをサプリで利用する場合は、
ビタミンB6不足に注意すること。
メラトニンを吸収する際、代謝する際に
ビタミンB6の消耗が増えるため。
安易にメラトニンを増やすと
ビタミンB6不足で、眠れるように
なったはよいものの、悪夢をみる
というようなトラップがある。
メラトニンをサプリで足す場合は
ビタミンB6不足がないことが前提。
サプリメントによっては、
ピリドキシン(ビタミンB6)と
一緒になっているものが多い。
メラトニンをサプリで摂取
する場合の量だが、
1日あたり3㎎からスタート
6㎎まで増やすことは特に
問題ないとのこと。
睡眠改善に使う場合も
依存症の懸念がほとんどなく、
メラトニンは使いやすい印象。
海外旅行の時差ボケによる
睡眠障害にも使えます。
メラトニンまとめ
- 熟睡を促す、依存性リスク小
- 抗酸化作用、抗ガン作用あり
- 認知症予防の効果も期待できる
- サプリメントで使う場合は
就寝前に3㎎~6㎎ - ビタミンB6不足でメラトニンは禁忌、
悪い夢をみるようならビタミンB6不足