ナイアシン(ビタミンB3)でセロトニンが増える理由
ナイアシン(ビタミンB3)飲んだら痛みが楽になったというお話はよく聞きます。
腰の痛みとか、歯の痛みとか。
この作用機序がよく分からなかったのですが、先日なるほどという説明を聞くことが出来たので簡単にまとめ。
ナイアシン(ビタミンB3)は、体内でトリプトファン(タンパク質=アミノ酸)から合成することが出来ます。
同じく、脳内伝達物質のセロトニン、メラトニンもトリプトファンを原料として作られます。
つまり、同じ材料(トリプトファン)からセロトニンも作られるし、ナイアシン(活性型ビタミンB3)も作られる。
もし、身体にナイアシンが十分に存在すれば、
身体はナイアシン側ではなくセロトニン側にトリプトファンを回すことが出来ます。
「ナイアシンの在庫大丈夫ね、じゃああんまり作らなくてオッケー」
「材料(トリプトファン)はセロトニン側に回しとこ」
てな感じ。
ある物質が体内で増えると身体はもう作る必要がないから生産をさぼっちゃう。
いわゆるネガティブフィードバックが働くので、
その分材料のトリプトファンはセロトニン側に回せるらしい。
通常トリプトファンは90%以上がキヌレニン側に回ってて、セロトニン側に回るのはかなり少ない量です。
そういった事情も重なるので、ナイアシン側のネガティブフィードバックのインパクトは余計に大きくなるのかもしれませんね。
仮説とはいえかなり納得のお話でした。
ちなみに、このトリプトファンからセロトニンが作られる経路は炎症で止まっちゃう。
これは分子栄養学の基本のキ(↓)
風邪をひいたら寝る前の牛乳はNG?【キヌレニン経路】 | ビタミンアカデミー
セロトニンはご存じリラックス系のホルモンなので、痛みを緩和する作用があります。
「ナイアシンを飲むとぐっすり眠れる」とか
「ナイアシンフラッシュのあとはなんともいいリラックス感がある」とか
周りの栄養療法お仲間界隈でよく聞くハナシです。
なんでそうなるのか分からなかったけど、ちょっと腑に落ちました。
実際、私も寝る前に飲むナイアシンは大好き。
最近はもうナイアシンフラッシュもほとんど起きなくなったので物足りないくらいです。笑
Now Foods, ナイアシン, 500 mg, 100 錠