将来のお子さんの栄養状態のためにできること
ときどき、教育熱心な親御さまからお子さんの食事に関する相談を受けます。
発達障害や不登校など、問題が深刻だと判断される場合は、その方面に優れたドクターやカウンセラーをご紹介することにしています。
その道にはその道に長けた方がいらっしゃいますから。
そうではなく、今は特に問題なく健康に育っているが、これから何をどう食べさせればよいか?というご質問の場合。
私がお伝えしているのは以下の2点のみです。
① 口腔内健全性
② 腸内細菌の多様性
簡単に言うと、虫歯にならないようにして、泥んこ遊びさせてくださいませってこと。
子供の食事なんて家庭内でどんなに気を使っても、年頃になればお菓子にも目覚めるし、ファーストフードにも夢中になります。
思春期を過ぎてある程度大人になったら、食べるものと身体の関係が分かってくるかもしれませんが、
未就学児か小学生にそれを説いてもなかなか難しいものがあるでしょう。
もちろんセルリアックやアレルギーなど重度の食事制限がある場合は徹底しなきゃいけないけど、
そうじゃなければお母さんが楽なようにリラックスすることも大切だと思います。
でも最低限、絶対に抑えておいてほしいところ、それが「歯」と「腸」なんですね。
この2点が、その後の人生の栄養状態を決めると言っても過言ではないくらいです。
一生を左右する口腔内の健全性
口腔内の環境が栄養状態のネックになるいうのは、例えば、
・昔の治療痕の金属の詰め物が起こす重金属汚染
・磨きにくい歯並びのため歯周病が悪化して起こす炎症
・神経を抜いてしまったために起こる歯根の感染からくる炎症
・口呼吸の癖で喉の慢性炎症を起こす、などなど。
口腔内の炎症は、腸の炎症へ飛び火します。
口腔内に炎症があると栄養の吸収がうまくいきません。
ですから、子供の時に歯磨きをしっかり習慣付けて、歯並びが悪い場合はちゃんと技術の優れた矯正医の元、矯正していただく。
しっかり咀嚼のできるお口で、筋肉をほどよく発達させ、お口ポカンの癖は撤廃させてください。
歯医者は悪くなってから行くところではなく、美容院と同じように定期的に通うところだと洗脳しておくことです。
注意すべき点は、日本の保険医療制度が歯科医療を崩壊させてますので、良質の歯科医師がなかなかいないことです。
子供のころに矯正治療はしたものの、顎変形症や顎関節症になった方を知っています。
こればっかりは、ネットの口コミも掲示板も当てになりません。
日本では、いまだに保険適用の治療をしてくれる(安く治療してくれる)歯科医師が良い医師、という民意の低さですから。
業界をよく知った方に、口コミで紹介していただくのが良いかと思われます。
腸内環境について
ご存じのとおり、腸内細菌は4歳までに定住菌が出そろいます。
綺麗なお部屋で、抗菌グッズに囲まれ、清潔すぎる環境では、腸内細菌の多様性が失われます。
落としたものを食べても別にお腹こわしませんし、自然の中で放牧するイメージでよいと思います。
どれほど効果があるかは、データがないのではっきり言えませんが、乳幼児用のプロバイオティクスを使うのも悪くないんじゃないでしょうか。
プロバイオティクス商品は、中には砂糖まみれの(○クルトのような)商品もありますから、セレクティブになる必要はありますが。
栄養療法では、ほとんどのケースでプロバイオティクスが使われます。
体調が悪くなる人のほぼ100%が腸内環境が悪化しています。
でも大人になってから腸内細菌を送り込んでも、定住菌にはなってくれないのですよ。
持って生まれた(幼少期に獲得した)腸内細菌の多様性、本当に大事です。
口腔内環境と腸内環境・まとめ
栄養を吸収する消化管の健全性を取り戻すのは、栄養療法の真髄です。
消化管は、口から始まって腸までつながっています。
まるで一本の土管です。
お口の中と大腸、別のものではなく実は同じ器官なのです。
栄養療法で結果が出るのに時間がかかる人は、
腸管内と口腔内の環境が悪さが、治療のルートコーズ(根本原因)とボトルネック(障害)になっています。
別な言い方をすれば、口腔内と腸管内が健全なら、
たとえ多忙により一時的に栄養状態が悪くなっても
回復も早いですし、病気になっても容易に復活出来ます。
世の中のお母さまへ伝えたいこと、
「勉強しろ!」と言わなくてもよいです。
「ウンコ出た?」と聞くこと、
「歯磨きしなさい」と言うこと。
この2点だけですね。