乳酸菌・プロバイオティクスサプリのベストな飲み方
慢性疲労、免疫の改善、メンタル向上、すべての治療に絡んでくるのが腸の状態、特に腸内細菌叢へのアプローチです。
腸内細菌叢を改善するには、ぬか漬けなどの発酵食品、食物繊維が多く添加物の少ない食事、ストレスフリーな生活、などが大切ですが、なかなか全てを実行するのは難しいので、まずはプロバイオティクスで良質の菌を補充します。
プロバイオティクスサプリメントの選び方、飲み方についてのポイント2つをまとめました。
①単一のプロバイオティクスは逆効果、複数を組み合わせること
良い腸内細菌の状態とは、多様性に富んだ腸内細菌叢のことです。
炎症性腸疾患(IBD)や過敏性腸症候群(IBS)、クローン病など腸疾患の患者は、腸内細菌の多様性が乏しいという調査結果が出ています。
腸内細菌は互いに生存競争を行っており、ある単一の菌種が増加するとバクテリオファージ(細菌に感染するウィルス)を感染させ、菌の均衡状態を保とうとします。
単一のプロバイオティクスを大量投与することは、バクテリオファージの標的になりやすいので、あまり効率の良い摂り方とは言えません。
プロバイオティクスのサプリメントは複数の菌種を混合させるほうが良いです。
評判の良い商品は、どれも複数の菌種を組み合わせてあります。
私の愛用する「Nature’s Way」のロイテリもビフィドバクテリウム2種、ラクトバチルス3種の混合です。
アイハーブでもっとも評価の高いプロバイオティクス、宮澤先生も推奨の「California Gold Nutrition」ラクトビフも、ビフィドバクテリウム3種、ラクトバチルス5種の混合です。
ビフィドバクテリウム種とラクトバチルス種はどちらも乳酸菌なので、ここに腸の炎症を取る酪酸菌(ミヤリサン)か、酪酸菌を含むビオスリーを組み合わせるのがベストかなと思ってます。
プロバイオティクスサプリを選ぶ際は、菌種が複数プレンドされたものにする、もしくは複数のサプリを混ぜてみるのがベストだと思います。
②乳酸菌・プロバイオティクスはいつ飲むのが良い?
プロバイオティクスのサプリはいつ、どのタイミングで飲むのがベストなのでしょう?
乳酸菌は胃酸や消化酵素に弱いと言われています。
消化酵素に弱ければ、空腹時のほうが良いでしょうし、胃酸に弱ければ、胃酸が食べ物で薄まる食事中が良さそうです。
最近のプロバイオティクスサプリメントは、技術の発達により強い菌種を選別して培養することで、胃酸に強いタイプがほとんどなので、あまり気にする必要はないかもしれません。
あえてベストなタイミングはいつか?と調査されたのが、カナダのローゼル社によるこちらの論文。
ケフィア菌を商品にしてるプロバイオティクスの会社です。
in vitro Digestive System、つまり試験管で人間の消化管を忠実に再現。
2種類の乳酸菌(ビフィドバクテリウム、ラクトバチルス)を、食事の30分前、食事中、食事の30分後に摂った場合を比較しています。
結果、食後よりも食事の30分前、食事中のほうが、乳酸菌の生存率が良かったと報告されています。
食事内容は、りんごジュースよりも、牛乳で煮たオートミールなど、少量の脂質が含まれているほうが乳酸菌の生存率が高かったとのこと。
乳酸菌がうまく生きるためには、消化管がある程度動く必要があるのかもしれません。
栄養医学研究所の佐藤先生のブログを読んでると、乳酸菌サプリは食事の30〜10分前に飲むように、といった表記がよく出てきます。
「アシドフィルス菌、ビフィズス菌、ブルガリス菌などの乳酸菌を朝昼夕食の30分前に飲んでおくこと」など↓
カンジダ菌対策その2(臨床栄養士のひとり言)
まとめると、乳酸菌サプリを摂るベストタイミングは、
・ある程度ちゃんとした食事を摂る際に飲む(ジュースだけなどはNG)
その人固有の腸内細菌叢は幼少期に確定されてしまうので、経口で補うプロバイオティクスの生存期間は3〜4日間程度。
プロバイオティクスサプリの菌は定住してくれるわけではないので、継続する方が重要です。
忘れずに毎日摂ることが大事なので、忘れていたら食後でも、空腹でも良いと思います。もちろん覚えていれば食事前30分がベストですね。
以上、プロバイオティクスサプリの注意点2つをまとめましたが、これはサプリメントに限った話ではありません。
ぬか漬け、ザワークラウトなど食事から得られるプロバイオティクスでも同じです。
多品種を、ちゃんとした食事とともに、毎日継続する、これが効果を最大限にするコツです。
便秘には、週に一回、朝ごはん(空腹時)にヨーグルトをドカ食いすると治る!と言っていた女性がいましたが、単にお腹壊しているだけですね。プロバイオティクスの観点からは全く真逆なアプローチです。
どうぞご参考くださいませ。