オキシトシンにまつわる論文3つ
今日はオキシトシンについての小ネタです。
オキシトシンは愛と絆のホルモン。
ストレスホルモンのコルチゾールとは対極にあります。「オキシトシンを増やすには?」という論文はつい目が止まります。
オキシトシ絡みで見つけた小ネタを3つまとめておきます。
メラトニンサプリメントはオキシトシンが減るかも
メラトニンサプリはごく少量だと血中オキシトシンは増加。ところが5.0㎎(ごく一般的なメラトニンサプリの量)だと減少したそうです。
19〜23歳の24名の健康な男性に0.5 mgまたは5.0 mgのメラトニンを投与。血中のオキシトシレベルはメラトニン5.0 mgで減少、メラトニン0.5 mgで増加。
The effect of exogenous melatonin on stimulated neurohypophysial hormone release in man, doi: 10.1046/j.1365-2265.2002.01644.x.
右翼的思想はオキシトシンが豊富?
オキシトシンレベルの高い人は民族主義的な思想が強いらしい。
オキシトシンが強くなると、粘着質、ストーカー気質になると聞いたことがあります。
右翼的な自国愛、排外主義傾向にある方はオキシトシンが強いのかもしれない。
なにごともバランス、オキシトシンが多すぎるのも善し悪し。
オキシトシンは民族中心主義を促進する作用がある。
Oxytocin promotes human ethnocentrism, PNAS January 25, 2011 108 (4) 1262-1266
コーヒーのカフェインはオキシトシンを増やすかも
コーヒーのカフェインがオキシトシンを増やすこともあるようです。
アデノシン受容体とカフェインの関係はよく知られたことですが、どうもオキシトシン分泌にも関与しているらしいです。肥満マウスでの話で、しかも血中ではなく脳内でのお話。
肥満マウスにカフェインを投与すると、視床下部でアデノシン受容体が遮断され、食欲が減って体重が減少した。カフェインがアデノシン受容体に作用して、オキシトシンの分泌を促進している。
Caffeine inhibits hypothalamic A1R to excite oxytocin neuron and ameliorate dietary obesity in mice, Nat Commun. 2017 Jun 27;8:15904.
オキシトシンはこれから分かってくることが多そう
オキシトシンは、ここ数年一番話題のホルモンです。
新しいいうことは、まだ分かっていないことが多いということでもあります。
例えば、PubMedでオキシトシンを検索すると論文数は 28,000本 ヒットします。
ドーパミンの検索結果は16万、セロトニンは15万です。
オキシトシンの論文数、記事数はまだまだ少ないのですよ。
これからいろいろなことが分かってくるその途中なのでしょうね。
個人的には「オキシトシンレベルが高いと民族主義傾向が強くなる」というのは面白いなと思いました。
オキシトシンは「身内、家族を守ろう」というホルモンですからね。
例えば、男性でオキシトシンが増えると、子供や奥さんを守ろうという意識が強くなります。
イクメン傾向が強くなる。
つまり、浮気するか、残業ばかりして家庭に帰って来ない旦那さんは、家庭内セックスレスが原因かもしれません(オキシトシンはセックスで増加するんで)
おっと。話が逸れました。
小ネタなんで飲み会での話題にでもしてください。