甲状腺機能低下と貧血がセットになりやすい理由
「貧血です」と聞いたら
「甲状腺機能もチェックした方がよいよ。」
とお伝えしてます。
甲状腺機能低下と貧血は
同時に起こりやすいからです。
甲状腺機能と貧血の関係について
調べてことメモ
・鉄欠乏性貧血の30%~50%が
甲状腺機能低下症を併発している。
・甲状腺ホルモンはエリスロポエチンの
産生を刺激して赤血球造血を促進する。
・甲状腺ホルモン自体に
鉄吸収を促進する作用がある。
甲状腺ホルモンを合成するときに鉄が関係している
甲状腺ホルモンを合成する酵素
甲状腺ペルオキシダーゼを作るときに
鉄が必要です。
参考文献
「Fe欠乏が甲状腺ペルオキシダーゼ活性を大幅に低下させる」
Iron deficiency anemia reduces thyroid peroxidase activity in rats
「鉄欠乏 → 甲状腺機能低下」は当然、そして
「甲状腺機能低下 → 鉄欠乏」も大アリ。
つまり甲状腺機能低下と鉄欠乏はセット。
「甲状腺機能低下 ⇔ 鉄欠乏」
エリスロポエチンと甲状腺ホルモン
「甲状腺ホルモンはエリスロポエチンの
産生を刺激する。」
エリスロポエチンとは、
骨髄に働きかけて「赤血球を作れ~!
赤血球を増やせ~!」と命令を出す
腎臓で作られるホルモンの一種、
自転車競技には詳しくないけど、
ランス・アームストロングという
有名な選手がツールドフランスで
ドーピングに使ったとされるのが
エリスロポエチン製剤らしい。
(誰得マメ知識)
甲状腺機能低下があれば、
RBCの数値がなかなか上がってこないです。
甲状腺ホルモンとエリスロポエチンの
関係を知れば納得ですね。
参考文献
「甲状腺ホルモンはエリスロポエチン遺伝子発現を誘導する」
今日のポイント
- 甲状腺ホルモンはエリスロポエチンの
産生を刺激して赤血球造血を促進する。 - 鉄欠乏性貧血があれば、
甲状腺機能低下を疑うこと。