ビタミンB6不足で脂質代謝が悪化する件
ビタミンB6不足の食事を続けると、不飽和脂肪酸のクオリティが低下するというレポート、ちょっと気になったのでメモ
健康な男女23人に、2日間の調整食事ののち、28日間ビタミンB6の欠乏した食事をとってもらい、血液を採取して変化を調査したところ、必須不飽和脂肪酸の比率(オメガ3:オメガ6)が悪化したそう。
オメガ3は、いわゆるEPAやDHAなどの抗炎症系の脂質
オメガ6は、リノール酸やアラキドン酸など炎症を起こすほうの脂質
どちらも人間の身体に必要な「必須脂肪酸」ですが、問題はその比率で、オメガ6が増えることは炎症体質になるということ。
なぜそういった変化がおこるのか、詳しい解説がなかったのでメカニズムは不明。
しかしながら多数の動物実験でもビタミンB6が脂質代謝に影響するということは確認されているらしい。
ちなみに、厚生労働省によると、ビタミンB6の必要摂取量は、成人女性が1.0mg、推奨量は1.2mgといったところ。
この検証では、1日のビタミンB6摂取量を0.5mg以下に調整してます。
およそ半量なので、そんなに極端な摂取量の低下ではない印象ですね。
ビタミンB6と言えば、分子栄養学的にも様々な局面で重要になるキービタミンです。
ウツ、パニック障害などは、ビタミンB6不足であることが分かっています。
ビタミンB6不足だと、
といった感じで、脳内伝達物質がうまく代謝出来ずにウツ症状が出ます。
今回の調査は、ビタミンB6不足だと、オメガ3:オメガ6のバランスを悪化させるということで、心疾患にご注意を!という結論。
オメガ3:オメガ6のバランス悪化は慢性炎症体質を意味しますので、ウツ病(脳の慢性炎症)とも関係しているのだろうと推測。
ビタミンB6は、活性型のP5Pに代謝される効率に個人差があるので、心疾患のなりやすさ、ウツ病になりやすさ、などの体質の分かれ目になるのかなとも思ったり。
B6が脂質代謝にどのように影響するのかは謎なので今後もトレースしていきます。