細胞内で起こっていること
高血糖も、低血糖も、細胞内で起こっていることは同じだったりします。
糖尿病に代表される高血糖、それと反対の低血糖症。
この2つ、細胞内で起こっていることは、共にエネルギー代謝の低下と言う点で共通しています。
高血糖のときに細胞内で起こっていること
高血糖(糖尿)の原因のほとんどが、細胞膜がおバカになって、インスリンが効かないことです
プログラムが不具合起こして、インスリンが受容体に結合しても、反応が起こらず、糖の玄関が作られないことを「インスリン抵抗性」と言います。
インスリン抵抗性があると、糖が細胞内に入れませんから、血液中に糖がジャブジャブになる。
これが高血糖です。
つまり、高血糖とは、細胞の中に糖が入れない。
細胞の中に糖が入ることが出来ないから、細胞は常にお腹ぺこぺこ。
細胞の中ではエネルギーの枯渇が起きている
「細胞内飢餓」の状態とも言えます。
低血糖のときに細胞内で起こっていること
低血糖にもさまざまなケースがありますが、多くはミトコンドリア機能の低下による、エネルギー代謝の低下です。
ところが、ミトコンドリア機能が低下して、もし解糖系しか使えないとなると、1個の糖から2個のエネルギーしか作れない。
同じ車でも、燃費の良い車は、リッターあたりの走行距離が長いですよね。燃費が悪い車は走行距離が短い。
同じ量のガソリン(糖)でも、エンジンの性能(ミトコンドリア機能)によって、作られるエネルギー量に多寡が生じます。
低血糖症は、エンジンがポンコツなので、糖の過剰な消耗が起きてしまう。
作られるエネルギー量が少ないから、細胞は常にお腹減ってる。
細胞がどんどん糖を取り込むので、血液中には糖が少なくなる。
つまり、低血糖においても細胞内で起きていることは、エネルギーの枯渇です。
こちらも同じく「細胞内飢餓」の状態と言えます。
高血糖も、低血糖も、細胞内は飢餓状態
目に見えいる現象は「血糖値が高い、血糖値が低い」という全く反対の現象でありながら、実は細胞内では同じ状態が起きています。
細胞レベルでみたら、高血糖も低血糖もエネルギーの枯渇、つまり「ハラヘリ状態」なのです。
腹が減っては戦が出来ぬ。代謝が低下するし、免疫低下するし、タンパク質の工場が正常に稼働しないから、出来損ないのタンパク質であちこちで不具合発生しがち。
動くためのエネルギーも不足するから、疲れやすい。
さまざまなケースで直面するのは、結局のところ「エネルギー代謝」だなあとしみじみ思います。
人間は従属栄養生物ですから、三大栄養素をいかに効率よくエネルギーに変えられるか?
病気も疲労も、この1点が全ての症例を解決するのです。分子栄養学のキモですね。
今日のポイント
・高血糖も低血糖も「細胞内飢餓」