血糖値の変動を確認するには?
血糖値の安定は、自律神経のバランスに非常に重要です。
血液検査で調べる血糖値の問題点は「瞬間切り取り写真」だということです。
空腹時に正常な血糖値であれば、検査では異常なしになってしまいます。
食後に血糖値がどのように変化しているかはスクリーニングできません。
そんなときに役に立つのが「1.5AG」という検査項目です。
食後高血糖があるかどうか分かる「1.5AG」とは?
「1.5AG」読み方は「イチゴエージー」
正しくは「1.5 anhydroglucitol」、「glucitol」つまり「糖」の一種です。
ブドウ糖とよく似た成分なので、もし食後高血糖があると身体から排泄されます。
食後に血糖値が上昇しすぎると、身体のホメオスタシスが働いて尿から糖が排泄されます。
結果、血液中の1.5AGが少なくなる。
つまり高血糖の状態があると「1.5AG」は低くなります。
また、1.5AGの原料は糖なので、糖質の摂取が著しく少ない場合も低くなります。
スーパー糖質制限なんかやってる方は、かなり低いはず。
あと尿中に糖が排泄されるケース、つまり腎機能の低下がある場合も低くなります。
腎機能の確認(BUN、クレアチニン、尿たんぱく)、糖質制限をやっているかどうか、この辺がマスキングのチェックポイント。
では、1.5AGがどれくらいだと、食後の血糖値はどのくらい上昇しているのか?
目安のデータがありました。
(参考)一般に血糖変動を、及び糖尿病患者の食後高血糖を測定するための、1,5-アンヒドログルシトール(1,5-AG)アッセイ及びA1C/1,5-AGアッセイの組合せ
一般的に最高血糖値が140を超えると、血管の糖化現象が始まると言われています。
ということは、1.5AGが12以下というのはかなり食後高血糖があるということ。
分子栄養学的には、1.5AGが14以下だと血糖値の乱高下があり要注意とみなします。
最低でも16以上、理想的には20程度ほしいところです。
食後高血糖がある場合の例。1.5AGが13.5とやや低い。
血糖値、Hgb1ACは正常なので糖尿病としてスクリーニングはされませんが、血糖のコントロールがやや苦手であることが分かります。
血糖コントロールがなぜ苦手なのか?
食後高血糖になる理由、その根本原因が重要で、多くは腸管機能の不全だったり、肝機能の低下だったり、副腎疲労だったり。
原因は人それぞれで、単純に糖質制限すればよいという問題ではないことが多いです。
食後高血糖の問題点
1.5AGは、通常の健康診断で調べることはまずありません。
糖代謝は自律神経の状態や副腎の機能を推測するのに重要な情報源となるので、
我々カウンセラーの利用するクリニックでは基本の検査セットにも組み込まれており、必ず確認します。
血糖値の変動が大きい方はメンタルが安定しません。
アドレナリンでヤル気満々になってハイパー元気になったかと思えば、ちょっとしたことで落ち込んでメソメソ系に変貌したり、生き辛そうな方が多い。
カウンセラーとしては一番嫌なところは、食事のたびに自律神経のアンバランス状態が誘導されるので、胃腸機能が低下し、長期的に時間をかけて体調不良になっていくことです。
食後高血糖の症状ですが、典型的なのが食後の眠気。
昼食後に「眠い、だるい、きつい」
そんな方は1.5AGの値を調べてみて、ご自身の糖代謝能力を知っておくとよいと思います。