自然と菌と人間がひとつになる場所──千葉・寺田本家を訪ねて

念願叶って寺田本家の酒蔵見学!
20年前からの憧れ
寺田本家のお酒を初めて知ったのは、今から約20年前。
マクロビオティックや自然な食事に興味を持ち始めた頃でした。
自然栽培、天然菌、発酵の力。
人工的、商業的、効率化とは対極にある、
さりとて敵対するわけではない独自の世界観は憧れでしかなく。
お酒を取り寄せ、都内で酒粕を探し回っては購入する。
けれども、肝心の酒蔵を訪れる機会にはなかなか恵まれませんでした。が!
このたび幸運にもチケットを入手、ようやく念願が叶って行ってきました。
自然酒とは
寺田本家といえば「自然酒」。
使うお米は、化学肥料も農薬も使わない自然栽培米。
麹菌も外から購入するのではなく、蔵に棲みついた菌たち。
蔵の方いわく「菌が発酵したいと思って、勝手にやってくるんです」と。

水も、米も、菌も。
できる限り“そこに存在する自然”に任せる。
強く、環境に適応した菌が残る。
菌の自然な新陳代謝に任せて、酒が醸される。
その思想自体が、すでに深い学びでした。
白衣も帽子もない蔵
一般的な酒蔵のイメージとは違い、
寺田本家では白衣や厳重な衛生装備はありません。
むしろ、さまざまな人が出入りすることで、
さまざまな菌がやってくる。
その中で、本当に強い菌が残り、
蔵の個性を作っていく。

私たちは蒸米の工程や、麹づくりの現場を間近で見せていただきました。
発酵途中の麹は、お米にふわっと白く菌糸が広がり、
手に取るとほんのり温かい。
実際に触れ、少し口にしてみると、じんわり甘さを感じる。
生きている発酵のエネルギーが伝わってくるよう。

“本当のお酒”の味
最後に試飲させていただいたお酒。
香りは豊かで、やさしく、深く、そして静かに広がる旨味。

「ああ、本当のお酒ってこういうことなんだ」
人工的に整えられた味ではなく、
自然の菌と時間が生んだ味。
舌に広がる別世界。
私たちが普段「日本酒」だと思っていたものとは何だっただろう
食は本来、自然が育むもの、
私たち人間の身体の本質にも共通すること。
菌と人間の共生
お土産に酒粕を1kg購入し(500gを2種類)、甘酒や酒粕汁にして楽しんでいます。
本当に滋味深く、体が喜ぶ味。

腸内細菌しかり、私たちは菌と共生して生きてきた存在です。
人間と食べ物と菌は、分離していない、
「一体」であることで相互に依存してきた。
人間は自然の一部であり、境界線はとても曖昧。
すべてがひとつの循環の中にある。
日本酒は、その象徴のような文化。
発酵や健康に関心のある方へ
発酵を学んでいる方。
食や健康に関心がある方。
「自然って何だろう」と考えたことのある方。
もし機会があれば、ぜひ寺田本家の蔵見学に挑戦してみてください。
チケットは不定期販売で即完売なので、定期チェックをどうぞぬかりなく
このような機会を設けていただける蔵の方たちに敬意と感謝を込めて。
本当にありがとうございました。


